“やる気が出ない”中学生——うつ?それとも甘え?見極めと寄り添い方
◆ 「最近、全然やる気がないみたいで…」と相談されることが増えています
「部活にも行かなくなった」
「宿題もやらず、ただ寝てばかり」
「『何がしんどいの?』と聞いても、『別に…』としか返ってこない」
吹田市の心療内科には、こうした“やる気のない中学生”に悩む保護者の方からの相談が後を絶ちません。
特に思春期は、「だるさ」や「無気力」が表に出やすくなる時期です。
でも、それが一時的な“甘え”なのか、心の不調のサインなのか——親として見極めが難しいところです。
◆ 甘えではない「本当の疲れ」かもしれません
中学生は、心も体も大きく変化する時期です。
成長ホルモンの分泌、睡眠リズムの変化、学業や人間関係のストレスが重なり、
本人も気づかないうちに心が疲弊していることがあります。
✅ 以前は元気だったのに、最近はずっと無気力
✅ 大好きだった趣味にも興味を示さなくなった
✅ イライラや涙が増え、感情の波が激しい
こうした変化が2週間以上続く場合、
うつ状態の可能性も視野に入れて、慎重に見守ることが必要です。
◆ “怠け”ではなく、“うつ”かもしれないサインとは?
🔹 身体的不調の訴えが増える
→ 「頭が痛い」「お腹が痛い」「眠れない」「疲れが取れない」など、体の症状として現れることがあります。
🔹 自己評価が極端に低くなる
→ 「どうせ自分なんか」「みんなに嫌われてる」といった言葉が増える。
🔹 将来への希望が持てない
→ 「生きてても意味ない」といった発言が出た場合は、すぐに専門機関への相談が必要です。
◆ 北摂地域の中学生も、コロナ禍以降で心のケアが必要に
北摂エリアでも、コロナ禍以降に「やる気が出ない」「学校がつらい」と感じる子どもが増えています。
・画面越しの授業や人間関係の希薄さ
・行事や部活動の中止による“燃える機会”の喪失
・将来への不安感
これらが重なり、以前よりも心のエネルギーが減りやすい環境になっているといえるでしょう。
◆ 吹田市の心療内科では、どんな支援をしているの?
「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、
中学生の“やる気が出ない”という状態に対し、以下のようなサポートを行っています。
✅ 医師によるメンタルチェック
→ 抑うつや不安の状態を丁寧に評価し、必要に応じて心理検査や問診を実施します。
✅ 本人へのカウンセリング
→ 無理に話を引き出すのではなく、「何も話さなくてもいいよ」という安心感の中での関わりを大切にします。
✅ ご家族への助言と支援
→ 「どう接すればいいかわからない」という保護者の不安にも、具体的な対応のヒントをお伝えしています。
◆ ご家庭でできる3つの関わり方
🔸 1.「頑張れ」は逆効果になることも
→ 「どうしてできないの?」という言葉は、すでに頑張っている子にとってプレッシャーに。
→ **「一緒に考えようね」「無理しなくていいよ」**と声をかけてください。
🔸 2. 生活リズムの“土台”を整えるサポートを
→ 睡眠・食事・日光浴などの基本的な生活習慣の回復が第一歩です。
→ 「早く寝ようね」「朝の散歩に一緒に行こうか」など、寄り添った働きかけが有効です。
🔸 3. 家庭が“安心できる避難所”であることを大切に
→ 外では気を張って頑張っている子どもたち。
→ 家では「何も求められない場所」であることが、心の回復につながります。
◆ 「うつかもしれない」と思ったときに、してはいけないこと
❌ 感情的に叱責する
→ 「甘えるな!」「いつまでそうしてるの!」と怒ると、子どもは自分を責め、閉じこもってしまいます。
❌ すぐに学校復帰を急がせる
→ 「そろそろ行けるでしょ?」という声かけも、本人には重圧になります。
→ まずは“回復”が優先です。
◆ 一歩踏み出すために——専門機関を“第3の居場所”として
「病院に行くほどじゃないかも…」とためらうご家庭も少なくありません。
ですが、心療内科は“病気の人が行く場所”ではなく、**「ちょっと立ち止まりたい人が、安心して話せる場所」**です。
吹田市や北摂地域には、そんな場として利用できる医療機関や支援施設が増えています。
無理をせず、少し立ち止まる勇気を、私たちはいつでも応援しています。