自分を大切にするということ
「自分を大切にしよう」とよく言われますが、それがどういう意味なのか、具体的に説明できる人は少ないかもしれません。
私たちは、誰かを思いやることは得意でも、自分自身を思いやることには慣れていないかもしれません。「自分を甘やかしてはいけない」「我慢こそが美徳」と教えられて育った日本の文化の中で、つい、自分の気持ちや欲求を後回しにしてしまうのです。
でも本当に、人に優しくするためには、まず自分が満たされている必要があります。コップに水がなければ、他人のコップに注いであげることはできません。自分を大切にするというのは、単にわがままに生きるということではなく、「自分の心の声に気づき、それに耳を傾けてあげること」なのです。
たとえば、疲れているときには「今日は無理をしない」と決める。人の期待に応え続けて苦しいなら、「私はどうしたい?」と自問してみる。それだけでも、自分を労わることにつながります。
私たちのクリニックでも、「誰かのためにがんばってきたけど、気づけば自分の心が空っぽだった」と来院される方が多くいらっしゃいます。その時にお伝えするのは、「あなたがあなたを大切にできるようになることが、最も深い癒しになる」ということ。
“自分を大切にする”とは、毎日の中でほんの少し、自分自身に問いかけることから始まります。今、私はどうしたい?何がつらい?何に安心する?そうやって丁寧に対話する時間が、あなたの心の再生の糸口になるのです。
どんなに忙しい日々の中でも、1日5分だけでも、自分の気持ちに目を向けてあげてください。心のケアは、あなたにしかできない、大切な行為です。
ゆうゆうクリニックでは、自分自身との向き合い方を一緒に考えるカウンセリングも行っています。お気軽にご相談ください。