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「友達ができない」——子どもの人間関係の悩みと、心のサポートのかたち

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◆ 「うちの子、ずっとひとりぼっちで…」という相談が増えています

学校の教室で、休み時間にポツンと座っている子。
みんながグループで話しているなか、会話に入れずうつむいている子。
誰かと関わりたいけれど、どう声をかけたらいいのかわからない——。

吹田市の心療内科にも、
「友達ができないことで自信を失っている」「親として何ができるのかわからない」
という相談がたくさん寄せられています。

◆ 子どもにとって「友達」は“心の鏡”

友達は、単なる遊び相手ではありません。
自分の存在を認めてくれたり、励まし合ったり、時にぶつかり合いながら、“自分らしさ”を育ててくれる大切な存在です。

特に思春期は、家族よりも友達との関係に重きを置くようになる時期。
そんな中で「友達ができない」という体験は、
「自分は価値がないのかもしれない」という自己否定感につながってしまうこともあります。

◆ 「友達ができない」理由は、ひとつじゃない

吹田市や北摂エリアの子どもたちを診ていても、
「友達ができにくい」と感じる背景には、さまざまな要因が絡んでいることが多いです。

🔹 自分の気持ちをうまく言葉にできない
  → 話しかけたいのに、タイミングがわからない。伝え方がわからない。

🔹 感覚過敏やこだわりの強さがある
  → 他の子と同じ遊びや活動が苦手で、距離ができてしまう。

🔹 過去のトラブル経験による“人間不信”
  → いじめや無視、裏切られた経験から、「また傷つくかも」と心を閉ざしてしまう。

🔹 内向的な性格や発達特性
  → 初対面が苦手だったり、複数人での会話が疲れてしまう。

つまり、「本人にやる気がないから」「コミュ力が低いから」といった一言では片付けられないのです。

◆ 「無理に友達を作らせる」は逆効果に

「なんで1人なの?」「もっと友達作りなさい」
こうした言葉は、子どもにとって強いプレッシャーになります。

「自分はダメなんだ」と感じて、ますます自信を失う
親にも理解されていないと感じ、心を閉ざす
無理に合わせた結果、疲れ果ててしまう

🔷 友達がいないこと=悪いこと、ではありません。
🔷 まずは「ひとりでも落ち着ける自分」も、肯定してあげることが大切です。

◆ 北摂地域でも広がる「ソーシャルスキルトレーニング(SST)」

北摂エリアでは、発達支援センターや心療内科などを中心に、
**“人間関係を築く練習”としてのSST(ソーシャルスキルトレーニング)**の取り組みが広がっています。

あいさつの仕方や、話しかけるタイミングの練習
感情の伝え方、相手の気持ちを想像する練習
トラブルが起きた時の対処法のロールプレイ

こうした体験を通して、
「自分にも人と関われる力がある」と実感できることが、社会参加への第一歩になります。

◆ 吹田市の心療内科でのサポート内容

「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、
「友達ができない」ことに悩むお子さんに対して、以下のような支援を行っています。

本人の“感じていること”に耳を傾ける
  → 「無理に話させる」ではなく、「そのままの気持ちでいて大丈夫」という安心感を重視します。

親御さんとの情報共有と支援
  → 「どう声をかけたらいい?」「この子にとって適切な環境とは?」という疑問に、具体的なアドバイスを提供します。

必要に応じた連携
  → 学校や支援機関と連携して、居場所づくりや交流のきっかけ作りを進めていきます。

◆ 「ひとりが好き」も「誰かとつながりたい」も、どちらも尊い気持ち

誰とでもすぐ仲良くなれる子もいれば、じっくり時間をかけて人間関係を築く子もいます。
「みんなと同じじゃないとダメ」という空気に飲み込まれず、その子のペースや気質を尊重することが何より大切です。

そして、吹田市や北摂の地域の中には、
ゆっくりと、自分らしく過ごせる場を提供する場所が少しずつ増えています。

「ひとりでも大丈夫」「だけど、つながりたいときには誰かがいる」
そんな安心できる世界を、子どもたちのそばに広げていけたら——
私たち「ゆうゆうからだとこころのクリニック」も、心からそう願っています。