「頭がまわらない」「考えがまとまらない」——脳疲労という見えないストレス
◆ 「何も考えられない日」があるのは普通のこと
朝起きたときから頭がぼんやりする。
何をしようとしていたかすぐに忘れてしまう。
一つひとつの作業に時間がかかって、「自分はこんなに要領が悪かったっけ?」と落ち込んでしまう——。
吹田市の当院にも、こうした“思考のにぶさ”や“頭が働かない感じ”を訴える方が、年齢や性別を問わず増えています。
多くの人が「私だけおかしいのかな」と心配されますが、これは**“脳の疲れ”=脳疲労**が原因のことがとても多いのです。
◆ 脳疲労とは?現代人に起きやすいワケ
脳疲労とは、長時間のストレスや情報過多、感情の抑圧などによって脳の処理能力が低下している状態です。
パソコンでいうなら「メモリが足りなくなって動きが遅くなる」ようなもの。
原因は大きく3つあります:
1.情報量の多さ:SNSやメール、LINEなど、絶えず情報を処理し続けることで脳が休まらない
2.感情の消化不良:怒りや悲しみ、焦りなどの感情を“飲み込んで”我慢し続ける習慣
3.マルチタスクの常態化:同時に複数のことをこなそうとする生活スタイル
吹田市のように利便性が高く、仕事や家庭、地域活動などが密接に絡む都市環境では、このような脳への負荷が蓄積されやすい傾向があります。
◆ うつ病や発達障害と間違われやすい
「頭が働かない」「集中できない」「記憶があいまいになる」といった脳疲労の症状は、うつ病やADHDなどの発達特性とも似ているため、
ご本人も医療者も混乱することがあります。
重要なのは、「病名の有無」だけにとらわれず、“今の脳の状態”に着目する視点を持つことです。
当院では、初診時に「現在の脳の回復力」や「日常生活の思考負荷」に注目した問診やカウンセリングを取り入れています。
診断名だけでなく、「疲れている脳をどう休ませるか」にも着目することが、実は回復への近道になることが多いのです。
◆ 脳を休ませる、という考え方
「じゃあ、どうやって脳を休ませればいいの?」という質問をよくいただきます。
答えは意外とシンプルです。以下のような行動が効果的です:
・五感を使う:ゆっくりとお茶を淹れる、好きな音楽を聴く、アロマを焚くなど、感覚刺激をゆっくり楽しむ
・何もしない時間を確保する:スマホもテレビも見ずに、ただぼーっとする時間を1日に10分だけでもつくる
・単純作業に没頭する:洗い物、歩行、手芸、ぬりえなど、頭を使わず手を動かす作業をする
これらは一見すると「何の役にも立たない時間」のように感じられるかもしれません。
しかし、まさにその“役に立たなさ”が、脳にとって最高の“休憩”となるのです。
◆ 自分の“脳の回復リズム”を知る
私たちは身体の疲れには敏感でも、「脳の疲れ」に気づくのはとても難しいものです。
だからこそ、「最近、考えがまとまりにくいな」「決断に時間がかかるな」と感じたら、それは**“休息のサイン”**かもしれません。
吹田市で忙しい毎日を過ごしていると、「がんばること」が当然のように求められます。
でも時には、「あえて考えない」「判断を後まわしにする」「人に頼ってみる」ことも、必要なスキルなのです。
◆ 「思考が止まる自分」も、責めなくていい
脳が疲れているとき、人はよく「自分はダメだ」「もう何もできない」と思い込みがちです。
けれど、それは能力が落ちたわけではありません。
“能力を発揮できないほど疲れている”という、身体からのメッセージなのです。
当院では、脳疲労に関するカウンセリングや、ストレスに強い生活習慣の整え方などもご相談いただけます。
吹田市に暮らす皆さまが、少しでもクリアな思考で、毎日を心地よく過ごせるよう、お手伝いできればと思っています。
「考えがまとまらない日」があっても大丈夫。
それは、あなたの心と脳が「一休みしたい」と教えてくれている証かもしれません。