“じっとできない子”——動きの中にある自己調整のかたち
◆「座ってなさい」「静かにして」と言っても動き続けてしまう子どもたち
・授業中に足をブラブラ、鉛筆を回す、姿勢が落ち着かない
・食事中や会話中でも椅子から立ち上がったり歩き回る
・「あと5分だけ待ってね」ができず、すぐ行動に出る
・動いていないと不機嫌になる、感情が不安定になる
・集中したくても体のそわそわが先に来てしまう
吹田市・北摂地域でも、「多動かもしれない」「落ち着きがない」と心配される子どもに出会う場面は多く、
保育園や学校現場、家庭でも対応に悩まれる声をよく伺います。
けれどこの“じっとできない”という状態は、
単に「静かにしていない」「言うことを聞けない」という話ではなく、
「身体を通じて自分を整えようとしているサイン」であることも多いのです。
◆ “動き”は、子どもにとっての“心の調整装置”
子どもたちは、まだ感情や思考を言葉でうまく整理できない時、
代わりに**“動く”ことでバランスを取ろうとします。**
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行動 |
背景にある調整の意図 |
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体を揺らす/脚を動かす |
注意や集中を保つための刺激を自分でつくっている |
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歩き回る |
気持ちを切り替えたり、不快感から離れようとしている |
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手を動かし続ける |
情報処理を助ける/不安やストレスの放出手段 |
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運動中だけ笑顔になる |
身体を通じて快の感情や安心感を取り戻している |
つまり、“動く”ことは「落ち着いていない」からではなく、
「落ち着こうとしている」姿でもあるのです。
◆ 北摂の事例:年長男子の“ブランコでしか話せない気持ち”
北摂地域の保育園に通う年長の男の子。
面と向かって話すと黙ってしまい、質問にも答えない。
でも、園庭でブランコに乗りながらだと、不思議とよく話してくれる。
担任が「なぜブランコだと話せるの?」と聞くと、彼はこう答えました。
「動いてると、ここ(胸のあたり)が軽くなる」
「止まってると、なんか考えすぎちゃって言えなくなる」
これは、身体を動かすことで“心の詰まり”をほぐしていた一例でした。
◆ ADHDや発達特性との関係性
“じっとできない”状態が強く現れる子どもたちの中には、
ADHD(注意欠如多動症)や感覚調整障害など、
神経発達の特性を持つケースも少なくありません。
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特徴的な行動 |
支援的な見方 |
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衝動的に動いてしまう |
「止まる」より「先に行く」が脳内で優位になりやすい |
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不注意と多動が混在 |
集中と運動がバラバラに働き、同時に整えづらい |
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感情の起伏と行動の速さが連動 |
興奮や不安を動きで“先に処理しようとする”傾向 |
“動くこと”を悪者にしない視点が、関わりの土台になります。
◆ 吹田市の心療内科での支援:動きを“抑える”より“整える”へ
「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、
“じっとできない子”への支援において、以下のような工夫を重視しています。
🔹① 動きを完全に止めさせようとしない
→ 座っている中でも手を動かしてOK、立って考える時間を許可
→ “静止”ではなく“静かに動ける状態”を目指す
🔹② 身体を使ってから活動に入る“リセット動作”を日課に
→ 例:スクワット、ジャンプ、息を吐く動作を数回してから机に向かう
→ “動いてから止まる”ことでスムーズな切り替えが可能になる
🔹③ “動きたい欲”を満たす時間を先に設けておく
→ 1日20分の全力運動タイム/教室内でできる“静かな動き”を導入
→ “禁止”より“先に満たす”方が行動は落ち着きやすい
🔹④ 動く理由を一緒に言語化する
→ 「動いてたの、どういう気持ちだった?」
→ “自分を理解する言葉”を育てることが、将来の自己調整力につながる
◆ ご家庭でできる3つの工夫
🔷 ① 食卓や学習の場に“静かに動ける工夫”を
→ クッションチェア/足元に動かせるペダル/鉛筆回しOKゾーン
→ 動く=注意散漫ではなく、“調整手段”として認める
🔷 ② 「動いてるね」より「何かしたかったのかな?」と問いかけてみる
→ 責めずに、“行動の意図”に意識を向けると、子どもも自分に気づきやすくなります。
🔷 ③ 動きたくなる時間帯を先に“予定化”しておく
→ 「このあと5分走れる時間あるよ」など、予告による安心感で落ち着く子も多いです。
◆ 動きは、子どもからの“ことばにならないメッセージ”
“じっとできない”という行動には、
言葉にできない心の声や、身体からの訴えが込められています。
それを止めるのではなく、その動きの意味を一緒に探り、整えていく視点が、
子どもの心と行動を支える本当の支援につながるのです。
吹田市・北摂地域で、私たちは
「動いてしまう子どもたち」の“動きのなかの自己調整”に注目しながら、
“動くからこそ育つ力”を支える関わりを続けています。