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ゲームやスマホが手放せない——“依存”に見える行動の背景と、親にできること

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◆ 「またゲームばかり…」その背景にある“心の声”とは?

「朝から晩までずっとスマホを見ている」
「注意すると逆ギレして手がつけられない」
「ゲーム以外、何にも興味がないように見える」

このようなご相談が、吹田市の心療内科においても年々増加しています。
とくに小学校高学年〜中学生の児童思春期においては、ゲームやSNSといった“デジタルコンテンツ”に強く依存してしまうケースが多く見られます。

◆ ゲーム依存・ネット依存とは?

「依存」とは、自分の意志ではやめたいのにやめられない状態のことをいいます。
ただ長時間やっているだけでなく、それによって生活や心身の健康に悪影響が出ている場合、医学的にも「ゲーム障害」「インターネット依存症」として診断対象となることがあります。

主なサインは以下の通りです:

 ・昼夜逆転している

 ・食事・入浴などの基本的生活習慣が乱れている

 ・ゲーム以外への興味・関心が乏しい

 ・ゲームを取り上げると暴力的・攻撃的になる

 ・成績の低下や不登校が続いている

◆ 依存に見える行動、その背景にある3つの“心のサイン”

北摂エリアでも、学業・進学へのプレッシャーや人間関係のストレスから、子どもが“現実よりも心地よい世界”に逃避する傾向が強まっています。

🔹 1. 現実からの“逃げ場”としてのゲーム
  → 学校や家庭でのストレスが強いと、ゲームの世界だけが安心できる居場所になることがあります。

🔹 2. 自己肯定感の低さ
  → ゲームでは「レベルアップ」や「勝利」で達成感を得やすく、現実では感じられない“自分の価値”を感じられることも。

🔹 3. 孤独感の裏返し
  → オンラインゲームやSNSは“誰かとつながっている”感覚を持たせてくれます。
  → しかしそれは、実際の関係性の希薄さを埋めようとする行動でもあります。

◆ 心療内科での支援:依存の“意味”に気づくことからはじめよう

ゆうゆうからだとこころのクリニックでは、
「どうやってゲーム時間を減らすか」ではなく、
「なぜそこまでゲームに依存しているのか」に注目して支援を行っています。

感情の裏側を丁寧に拾うカウンセリング
  → 「寂しい」「つらい」「誰にもわかってもらえない」——
  → 本人さえ気づいていない心の声に気づくサポートを行います。

自己肯定感を回復する働きかけ
  → 現実世界での小さな成功体験や、安心できる人間関係を一緒に育てていくことで、デジタル世界への依存を自然に減らす道を目指します。

保護者支援・家庭環境の調整
  → ゲームを禁止するだけでは逆効果になりがち。
  → 信頼関係を壊さずにルールを決めていく方法を、保護者と一緒に考えます。

◆ 家庭でできる“ゲーム依存”との向き合い方

🔸 1. 「やめなさい」より「どうしたの?」と声をかける
  → 頭ごなしに叱ると、子どもはよりゲームに逃げ込むようになります。
  → まずは気持ちに寄り添う言葉を心がけましょう。

🔸 2. ルールは“押しつけ”ではなく“対話”で決める
  → 「1日〇時間」などの制限は、子ども自身にも意見を聞いて合意形成することが重要です。

🔸 3. “ゲーム以外の安心できる時間”を用意する
  → 一緒に料理をする、散歩に出かける、会話だけの日をつくるなど、人とのリアルな関わりで満たされる経験を意識的に増やしましょう。

◆ 「やめさせる」より「戻ってこられる場所をつくる」ことが大切

ゲーム依存やネット依存は、本質的には“つらさ”や“不安”の現れです。
だからこそ、ただ時間を制限するだけでなく、心の栄養を満たしてあげることが本質的な支援になります。

吹田市・北摂地域でも、こうした相談が年々増えている背景には、
社会全体の変化や孤立しやすい家庭環境が関係していることもあります。

お子さんがゲームに没頭している姿に、戸惑いや不安を感じたら、
どうかひとりで抱え込まず、心療内科など専門的な視点を持つ場所にご相談ください。