“ルールにこだわる子”——秩序と不安の交差点
◆「なんでルールを守らないの?」「ちゃんとしなきゃダメでしょ!」と怒る子
・遊びの途中でルール違反があると、すぐ指摘して怒る
・学校の決まりごとを人一倍意識し、周囲にも強く求める
・自分なりの順番や手順にこだわって、崩れると不機嫌になる
・小さな変更や予定のずれに対応できず、パニックになることもある
・「それは違う!」「そうじゃないって言ってるでしょ」と感情的になりやすい
吹田市・北摂地域でも、「融通が利かない子」「正義感が強すぎる子」などと呼ばれるケースがありますが、
その多くは**“ルールへの強いこだわり”が、その子にとっての安心装置”**になっていることが背景にあります。
◆ ルールを“守る”のではなく、“しがみついている”子どもたち
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見える行動 |
背景にある心の動き |
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決まりを破られると怒る |
予測が崩れることへの強い不安/自分の安心基盤が壊される感覚 |
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他人のルール違反を許せない |
世界が「安全でなくなる」ように感じてしまう |
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柔軟な対応ができない |
変更や例外に対応する認知的な切り替えの困難さ |
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自分ルールを作りがち |
外の世界の不確実さに耐えきれず、自己流で秩序を作る |
つまり、**“ルールへのこだわり”は、厳しさでも頑固さでもなく、
その子が“なんとか心を整えようとしている努力のかたち”**なのです。
◆ 北摂の事例:小3男子の「ルール先生」
北摂地域の学童保育に通う3年生の男の子。
カードゲーム中に、友だちがうっかり順番を飛ばしたとたん、
「それはルール違反!やり直して!」と怒鳴り、泣き出してしまいました。
周囲は「また始まったよ…」という反応でしたが、
本人は後にこう話してくれました。
「ちゃんとしてないと、全部ぐちゃぐちゃになりそうで怖い」
「“みんなルール守ってる”って思えると安心する」
この子にとってのルールは、ただの決まりではなく、
“世界を信じるための支え”だったのです。
◆ “こだわり”と“信頼不安”は、コインの裏表
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表の行動 |
裏にある心理 |
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ルールを破る他者に怒る |
「他人は信頼できないかもしれない」という不安 |
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自分ルールに固執する |
世界の曖昧さへの恐れ/見通しがつかない不快感 |
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細かな手順変更で混乱 |
「変わること=危険」のように感じてしまう過敏さ |
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正義感が強く白黒思考 |
安定した構造の中でしか安心できない脆さ |
こうした“ルールへの過敏さ”は、
ASD(自閉スペクトラム症)傾向や不安傾向の子に特に多く見られます。
◆ 吹田市の心療内科での支援:ルールを“守らなければならないもの”から、“話し合えるもの”へ
「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、
ルールに強くこだわる子どもたちに対して、以下のような支援を行っています。
🔹① 「こだわり」を“自分の安心手段”として肯定する
→ 「そんなに怒らなくてもいいでしょ?」ではなく、
「それだけ大事にしてるんだね」と共感で受けとめるところから始めます。
🔹② ルール=絶対ではなく、“柔軟に扱えるもの”として再定義
→ 例:「今日はこのルールでやってみて、合わなかったら変えるのもアリだね」
→ “話し合えるルール”という考え方を導入します。
🔹③ 変更や例外の“見通し”を事前に伝える
→ いきなりの変化に対応するのが苦手な子には、
「こうなるかもしれない」「違うパターンもある」と事前予告で安心感を作ります。
🔹④ “ルールに縛られない体験”を少しずつ積む
→ 即興遊び・創作・無目的な散歩など、
“決まりのない世界でも自分を保てた”という成功体験を育てます。
◆ ご家庭でできる3つの関わり方
🔷 ① 「ちょっと違っても大丈夫」を体感できる機会をつくる
→ 例:料理で材料を変えてみる/旅行で予定をゆるく組む など
→ “変化=楽しめるもの”という経験が、こだわりをやわらげます。
🔷 ② 自分ルールに入っているときは、急に崩さず段階的に関わる
→ 「そんなやり方おかしいよ!」と否定するのではなく、
「どうしてそれにしてるの?」と対話的に近づくことが大切です。
🔷 ③ ルールを“共に守る”という協働性の感覚を育てる
→ 例:「みんなが気持ちよく遊ぶためにどうしたらいい?」
→ 他者の存在を踏まえた“ルールを育てる”視点を持たせます。
◆ ルールへのこだわりは、“安心を求める手段”として理解する
「この子は頑固だ」「面倒くさい子だ」
そう思う前に、
そのこだわりの背景にある“心のゆらぎ”に目を向けてみてください。
吹田市・北摂地域で、私たちは
ルールにこだわる子どもたちが、
“決まり”の中に頼らずとも安心していられる心の土台を一緒に育てています。