“人に合わせすぎる子”——本音が見えなくなるとき
◆「いいよ」「なんでもいいよ」が口ぐせの子ども
・友達との遊びで、いつも相手の希望を優先する
・本当はイヤでも「大丈夫」と言ってしまう
・グループの中で意見を聞かれると黙る
・家では疲れた様子なのに、学校では問題なく振る舞う
・トラブルが起きても、自分の気持ちを説明できない
吹田市や北摂地域の学校現場でも、
「トラブルは起こさないけれど、どこか無理をしているように見える子」の相談が増えています。
一見すると協調的で、空気が読めて、周囲に優しい。
けれど内側では、**“本音を出すことへの怖さ”**が強く働いていることがあります。
◆ 合わせる力は“社会性”でもあり、“防衛”でもある
|
外から見える姿 |
背景にある可能性 |
|---|---|
|
争いを避ける |
対立=関係が壊れるという強い不安 |
|
相手を優先する |
自分を出すと嫌われるという思い込み |
|
意見を言わない |
否定される経験への恐れ |
|
なんでも「いいよ」 |
本当はどうしたいかがわからなくなっている |
人に合わせる力は、社会生活では大切なスキルです。
しかしそれが“過剰”になると、
自分の感覚や欲求との接続が弱くなっていきます。
◆ 北摂の事例:中2女子の「誰の気持ちかわからない」
北摂地域の中学校に通う2年生の女の子。
クラスでは中心グループに属し、トラブルもありません。
しかし放課後になると強い疲労感と無気力感が出る。
面談で彼女はこう話しました。
「みんなの気持ちはわかるけど、自分がどうしたいかがわからない」
「イヤって言ったら、空気が悪くなる気がする」
彼女は、
他者の感情には敏感なのに、自分の感情を後回しにする癖がついていました。
◆ “合わせすぎる子”の心の中
|
状況 |
内部で起きていること |
|---|---|
|
友達の機嫌が悪い |
自分のせいかもしれないと感じる |
|
意見が対立しそう |
発言を控えることで回避する |
|
断る場面 |
心拍が上がり、強い不安が出る |
|
家でぐったりする |
一日中、他者にアンテナを張り続けた疲労 |
この状態が続くと、
「自分って何が好きなんだっけ?」
「どうしたいんだっけ?」
という感覚が、少しずつ薄れていきます。
◆ 吹田市の心療内科での支援:「本音のリハビリ」
「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、
人に合わせすぎる子どもに対して、
“主張を強くする”のではなく、“自分の感覚を取り戻す”支援を行います。
🔹① 「本当はどうしたい?」を小さな場面で練習する
→ 昼ごはん何がいい?
→ 今日どっちの椅子に座りたい?
→ 選択を重ねることで、感覚の筋肉を育てる
🔹② 断る練習をロールプレイで行う
→ 「今日はやめとくね」
→ 「ちょっと考えさせて」
→ 対立せずに断る言い方を練習する
🔹③ “空気が悪くなっても大丈夫”体験をつくる
→ 小さな意見の違いを安全な場で経験する
→ 関係は意見の一致だけで成り立つわけではないと体感する
🔹④ 感情語彙を増やす
→ イヤ、つらい、さみしい、モヤモヤ
→ 自分の感情を言葉にできると、行動の選択肢が増える
◆ ご家庭でできる3つの関わり
🔷 ① 「優しいね」だけで終わらない
→ 「でも、あなたはどうしたい?」と続ける
→ 自己感覚への問いを習慣にする
🔷 ② 家では“わがままOK”の空間をつくる
→ 安全な場所で自己主張を練習できることが大切
🔷 ③ 親が“違う意見”を穏やかに表現する姿を見せる
→ 意見の違い=関係の終わり、ではないと学ぶ
◆ 合わせる力は、決して悪いものではない
むしろ、
相手の気持ちを感じ取れる繊細さは大きな強みです。
ただし、その強みが
“自分を消す方向”に働かないようにすることが重要です。
吹田市・北摂地域で、私たちは
人に合わせすぎてしまう子どもたちが、
「合わせる」ことも「選ぶ」ことも両方できるようになる支援を大切にしています