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“先生にばかり怒られる子”——誤解されやすさの構造と対応

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◆「悪気はないんだけど、よく注意されてしまう」

 ・授業中、無意識に話しかけてしまう

 ・頻繁に動いてしまい、「落ち着きがない」と言われる

 ・忘れ物が多くて「だらしない」と誤解される

 ・怒られると不機嫌になり、ますます誤解を招く

吹田市・北摂地域でも、
「うちの子、先生にだけ厳しくされるんです…」というご相談がとても多くあります。
実際には他意がなくても、
「わかりやすく注意されやすい言動パターン」を持っている子は一定数います。

でも、そこにあるのは「問題のある子」ではなく、
**“環境とのミスマッチ”と“誤解されやすい特徴”が重なった子ども像”**です。

◆ 「怒られる子」のレッテルが生まれるプロセス

 1.周囲の子より少し“目立つ”行動を取ってしまう

 2.同じ注意が何度も繰り返される

 3.教員や大人の中で「またあの子か」という印象が強化される

 4.他の子なら見逃されることも、その子だけが指摘される

 5.自分でも「どうせまた怒られる」と感じ、態度が硬化していく

このサイクルが続くと、
行動自体よりも“その子の印象”が先に評価されてしまうという、
“レッテル化”が起こります。

◆ 北摂の事例:小3男子の「また君か」と言われ続けた経験

北摂地域の公立小学校に通う3年生の男の子。
授業中に鉛筆をクルクル回していたことをきっかけに、
担任から「また◯◯くん、集中してない!」と叱責を受けました。

しかし後日の振り返りで彼はこう話しました。

「聞きながら手を動かすと、頭に入りやすいんだよ」
「怒られるのが嫌だから、しゃべらないようにしてるけど、見られてると怖い」

つまり、行動の意図と受け取られ方の間に大きな“ズレ”があるのです。

◆ 怒られやすい子の特徴と、それぞれの背景

表面的な特徴

背景にある可能性

落ち着きがない

注意の持続が難しい(ADHDなど)/身体を動かすことで集中している

指示にすぐ反応しない

処理スピードの差/聴覚処理の弱さ

話を遮る・タイミングがズレる

衝動性/会話のルール理解が不十分

忘れ物・提出ミスが多い

ワーキングメモリの弱さ/情報整理の困難さ

表情が無愛想・反抗的に見える

感情表現が控えめ/過去の経験からの“防衛的態度”

つまり、“怒られやすさ”は、
行動そのものではなく、「どう見られているか」の問題でもあるのです。

◆ 吹田市の心療内科での支援:誤解の“翻訳”と、印象の“上書き”

「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、
誤解されやすい子どもたちに対して、以下のような支援を行っています。

🔹① 教員や大人に“行動の意味”を説明する手紙を作成

   → ADHD・ASD傾向などの診断がある場合はもちろん、
    **「本人はこういう意図で動いています」という“行動の翻訳”**を支援者が担います。

🔹② 子ども自身が“誤解されやすさ”を知るワーク

  →「どうして怒られたのか」ではなく、
   「どう見られやすいか」「それはなぜか」を一緒に可視化していきます。

🔹③ 自分の“得意”を見せられる場面の設定

  → 苦手なシーンばかりで評価されるのではなく、
   得意なこと、好きなことで認められる機会を意図的に作ります。

🔹④ “怒られにくくなる工夫”を子どもと一緒に考える

  → たとえば「話しかけたくなったらメモに書く」など、
   行動の選択肢を増やすことで、自己調整力を育てます。

◆ ご家庭でできる3つの工夫

🔷 ① 「また怒られた」ではなく「何が起きたか」に焦点を当てる

  → 「どうしてそんなことを?」ではなく、
   「そのとき何が見えてた?」「どうしようと思ってた?」と聞く。

🔷 ② 「誤解されやすい部分」も“個性”として伝える

  →「あなたは反応がちょっとゆっくりなだけ」「伝え方に特徴があるんだよ」と、
   “直す”ではなく“伝える・調整する”という視点を渡します。

🔷 ③ 学校の先生と“情報の橋渡し”をする

  → 保護者から学校へ「こういう時にこう反応しやすいです」という
   “ミニプロフィール”を渡すことで、誤解を未然に防ぐ支援になります。

◆ “怒られる子”ではなく、“伝わりにくい子”として理解する

注意されやすい行動があったとしても、
それは**「どう関わればよいかが、まだ共有されていない状態」**にすぎません。

大人の側がその子を“問題児”として見るか、“伝わり方に特徴のある子”と見るかで、
関係性は大きく変わります。

吹田市・北摂地域で、私たちは
誤解されやすい子どもたちの“背景の文脈”に光を当て、
**「そのままの自分で誤解されずに生きていける力」**を育てる支援を続けています。