“勉強しなきゃとわかってるのに動けない”——実行機能とモチベーションのズレ
◆「やる気がないわけじゃないんです。でも…」
・テストが近いことはちゃんとわかってる
・親に言われた瞬間は「やろう」と思う
・でも、机に向かえない。スマホに手が伸びる
・そして夜、「またやれなかった」と自己嫌悪
こうした声は、吹田市の心療内科「ゆうゆうからだとこころのクリニック」にもよく届きます。
本人もやる気がないとは思っていない。むしろ「やりたい気持ちはある」。
でも、なぜか“始められない”“続かない”。
この“心のブレーキ”の正体は、**モチベーションの欠如ではなく「実行機能の問題」**かもしれません。
◆ 実行機能とは何か?
実行機能(Executive Function)とは、
**「思考や行動を目標に向かってコントロールする力」**です。
代表的な要素には:
・注意の切り替え(シフト)
・作業記憶(ワーキングメモリ)
・衝動抑制
・計画力
・時間管理
・課題の開始と遂行
などがあり、これらは脳の前頭前野と深く関係しています。
🔸「課題に手をつけられない」
🔸「やり始めても途中で他のことが気になる」
🔸「時間配分ができない」
🔸「先延ばしにしてしまう」
これらの困りごとは、意志や性格の問題ではなく、“脳のマネジメント機能”のアンバランスからくる場合があるのです。
◆ 北摂地域でのあるケース
北摂に住む中学2年の男の子は、「やりたくないわけじゃない」と話しながらも、
宿題に手がつけられず、提出期限を過ぎてしまうことが続いていました。
親から見れば「だらけている」と見える姿も、
実は本人の中ではこういう葛藤がありました:
・頭では「やらなきゃ」と思っている
・でも何から始めればいいかわからない
・その間にスマホやゲームに逃げてしまう
・結果「どうせ俺はダメだ」と自己否定
実行機能の支援がないままでは、「やらなきゃ」を繰り返すほど、自尊心が削れていく悪循環に陥ります。
◆ 吹田市の心療内科での支援アプローチ
当院では、こうした「動けなさ」の背景にある実行機能の課題に対して、次のような介入を行っています:
🔹 ① 課題の分解と見える化
→「宿題をやる」ではなく、「机に向かう」「教科書を開く」「最初の1問だけ解く」など、最小単位に細分化し、見える形で提示します。
🔹 ② タイマー・視覚的スケジュールの活用
→ 20分作業+5分休憩のようなポモドーロ法や、タスクボードなどを使い、取り組みやすい環境を整備。
🔹 ③ 「はじめる」ためのきっかけづくり
→ 机に座る→ペンを持つ→音楽をかける、など“動線”を設計することで、「はじめるまでのハードル」を下げる。
🔹 ④ 自己否定の思考修正(CBT)
→ 「またできなかった」は「小さくても一歩進めた」に変換して、自信を取り戻していきます。
🔹 ⑤ 必要に応じた薬物療法や発達特性評価
→ ADHD傾向などがあれば、検査・診断を含めた支援計画を構築。
◆ ご家庭での工夫と関わり方
🔷 ①「やってない」より「始めにくい理由」を聞く
→ 子どもにとって、「サボっている」と言われるのは非常に傷つきます。
→ 「どうしたら始めやすくなると思う?」という問いかけが有効です。
🔷 ② 成果ではなく“開始行動”を評価する
→ 勉強時間の長さや出来具合より、「座ったね」「始められたね」を褒めてください。
🔷 ③ タスクを“生活の流れ”に埋め込む
→ 「ご飯のあとに10分だけ」など、生活習慣とセットにすることで実行しやすくなります。
◆ 「やる気がない」のではない。「動けない理由」がある
子どもが動けないとき、
大人はつい「努力が足りない」「集中力がない」と言ってしまいがちです。
でも、その背景には、
**「脳の働き方の個性」**や、
**「どう動けばいいかわからない混乱」**が隠れているかもしれません。
私たちは吹田市・北摂地域で、
“やりたいのにできない”子どもたちに、
自己理解と小さな成功体験を重ねる支援を行っています。
「動けない」には理由がある。
そこから一緒に、優しくほどいていきましょう。