“反抗的な態度の裏にあるもの”——行動を通じたメッセージを読み解く
◆ 「口ごたえばかり」「なんでも反発する」に隠れたもの
・「別に」「うるさいな」など、ぶっきらぼうな返事
・注意されるとあえて逆のことをする
・無表情、沈黙、無反応で“大人を試す”ような態度
・勉強や生活態度に無関心な様子を見せる
吹田市や北摂地域のご家庭からも、
「最近、すぐ反抗的な態度をとる」
「親の言うことに何でも逆らってくる」
といった悩みがよく寄せられます。
しかし、その“反抗”は本当に「反抗心」からくるものでしょうか?
◆ 行動は“ことば”のかわり
反抗的に見える態度の背景には、
しばしば**言葉にできない“こころのメッセージ”**があります。
「ほんとうは不安だけど、それを認めたくない」
「期待に応えられない自分を、先に壊してしまいたい」
「信じたいけど、試さずにはいられない」
こうした複雑で繊細な心理が、“あえてぶつかる”という行動に変換されているのです。
◆ 北摂の事例:中2男子の「拒絶することでつながりたい」態度
北摂地域に住む中学2年生の男の子。
親が「そろそろ勉強したら?」と声をかけるたびに、
「うるさい!」「ほっといてくれよ!」と怒鳴り返してきました。
反抗が激しくなり、親もつい怒鳴り返す日々が続いていましたが、
ある日、静かにこう語りました。
「どうせ俺のことなんて、点数でしか見てないんでしょ」
「言われるとムカつくけど、本当は…わかってほしかっただけかもしれない」
彼の中では、
“試すような行動”=本当は信じたいという気持ちの裏返しだったのです。
◆ “反抗”という行動の4つのタイプ
|
タイプ |
背景心理 |
表面行動の特徴 |
|---|---|---|
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① 試し行動型 |
愛着や信頼を試す |
わざと反発・無視・挑発 |
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② 自尊心防衛型 |
恥・劣等感・挫折 |
開き直り・逆ギレ・拒絶 |
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③ 不安型 |
変化への恐れ・過緊張 |
固執・否定・退行的態度 |
|
④ 境界探し型 |
境界の確認・独立欲求 |
ルール破り・反抗・挑戦的言動 |
すべてに共通するのは、
**「本当はわかってほしい」**という欲求が根底にあることです。
◆ 吹田市の心療内科での対応:「態度」の裏の「声」を聴く
「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、
反抗的な態度に直面したとき、次のような視点で支援しています。
🔹 ① 怒りに対して、すぐに“叱らない”
→ 感情に感情で返すと、反応の連鎖が起こります。
まずは落ち着くまで**「反応しない勇気」**が必要です。
🔹 ② 反抗の背景にある“意味”を整理する
→ 「怒ってたけど、もしかして○○が嫌だった?」
→ 「あのとき、寂しかったんじゃないかな」
など、行動に隠れた“動機”を一緒に言語化します。
🔹 ③ 信頼関係の基盤を整える
→ 親が子に「いつでも見ている」「大丈夫」という静かな安心感を伝え続ける。
🔹 ④ 適切なルールは保つ
→ 甘やかすのではなく、境界を尊重しつつ対等な関係を築くことが重要。
🔹 ⑤ 振り返りを共に行う習慣化
→ 爆発や反抗のあとに「どうしたかったか?」を一緒に振り返ると、自己理解の材料になります。
◆ ご家庭でできる3つの関わり方
🔷 ①「反抗する=信頼の一歩」と捉える
→ 試してくるのは、「本音を出しても壊れない関係か」を見ている証。
それは信頼への入り口です。
🔷 ② 行動ではなく感情に反応する
→ 「また口ごたえか」ではなく、
「今日は何かしんどいことあった?」と感情に寄り添う視点を持つ。
🔷 ③ 落ち着いたタイミングで肯定的なフィードバックを
→ 「昨日はイライラしてたけど、今こうして話せてうれしいよ」など、関係の修復力を感じさせる声かけが効果的です。
◆ 反抗期は“関係の再編”が行われる時期
反抗は、破壊ではなく再構築の兆しです。
子どもが自分の輪郭を見つけ、自分の意思を持ち始めた証でもあります。
大人がその変化を怖れずに受け止め、
揺れを共有するパートナーであり続けることが、
反抗期を乗り越える鍵となります。
吹田市・北摂地域で、私たちは
“反抗的な態度”の奥にある繊細なこころの動きに丁寧に寄り添い、
子どもと大人が再びつながり直すプロセスを支援しています。