“学校でじっとできない”——認知疲労と集中力低下の背景
◆「授業が始まるとすぐソワソワするんです」
・座っていても体が揺れてしまう
・友達や周囲の物音が気になって集中できない
・ノートを書いていても、気づいたら上の空
・立ち歩きが増える、授業を抜け出す
吹田市の心療内科「ゆうゆうからだとこころのクリニック」には、
こうした“じっとできなさ”に悩む保護者や子どもの相談がたくさん寄せられています。
「落ち着きがない」
「やる気がない」
「授業が嫌いなの?」
そんな表面的な言葉で片付けられがちですが、
実はその裏に、**“認知疲労(Cognitive Fatigue)”**と呼ばれる心理的・神経学的な負荷が隠れていることがあります。
◆ 認知疲労とは何か?
認知疲労とは、
「頭を使う作業を続けることで、認知機能が疲れ果て、集中力・注意力が低下した状態」
を指します。
北摂地域の学校でも増えている“学級中の離席”や“授業中のボーッとした表情”は、
実はこの認知疲労が影響しているケースが非常に多いのです。
◆ 認知疲労を引き起こす要因は?
🔹 ① 発達特性(ADHD・ASD)による脳の負荷
→ 注意が散りやすい
→ 感覚刺激に敏感で、教室の雑音・光がストレスになる
→ 人の動きが視界に入るだけで認知資源が奪われる
🔹 ② 情報処理速度の遅さ
→ 授業についていくために“人より2倍の努力”をしてしまう
→ 結果として、授業の半分を過ぎると集中力が切れる
🔹 ③ 他者の視線・社会不安による“心の負荷”
→ 「失敗したくない」「間違えたらどうしよう」が脳の負荷になる
→ 心配しっぱなしで、認知リソースがすべて奪われる
🔹 ④ 睡眠不足・過覚醒
→ 夜に不安が強い子は、眠りが浅く、朝から“脳が疲れている”
どれも“本人の努力不足”とはまったく関係がありません。
脳がオーバーワークを起こしている状態なのです。
◆ 北摂の学校で実際にあったケース
北摂のある中学校で、
「授業中立ち歩く」「話を聞いていない」という理由で指導が続いた男の子がいました。
しかし本人にゆっくり話を聞くと、
「黒板の字が多すぎて追いつけない」
「隣の子が鉛筆を落とす音が怖い」
「頭が疲れてくると、座っているだけで泣きそうになる」
という言葉が返ってきました。
これはまさに、
“脳の限界を身体が教えてくれている状態”
なのです。
◆ 吹田市の心療内科で行っている支援
認知疲労や集中力の問題には、以下のような支援を行います。
🔹 ① 認知検査(WISC・KABC-II)による理解
→ 注意力・ワーキングメモリ・情報処理速度の偏りを分析
🔹 ② 学校との環境調整
→ 席位置の調整(前方・壁側)
→ イヤーマフや視覚遮断ボード
→ 課題量の調整
→ ノートテイク支援
🔹 ③ CBTを用いた“集中の切れ目”の気づき
→ 「集中が切れる前のサイン」を知り、早めに休息する方法を練習
🔹 ④ 必要に応じた薬物治療(ADHDなど)
→ 衝動性・不注意が学習に影響する場合に慎重に検討
◆ 家庭でできる3つのサポート
🔷 ① 20分+短い休憩で勉強する「ポモドーロ式」
→ 集中力は「続ける」より「切り替える」方が改善しやすい。
🔷 ② “できなかった部分”より“続けられた時間”を評価
→ 「今日は10分集中できたね!」
→ 小さな成功体験が認知疲労の軽減につながる。
🔷 ③ 感覚刺激を最小限にした環境づくり
→ 音:イヤーマフ
→ 光:間接照明
→ 机:整理されたスペース
→ 匂い:香り刺激の少ない環境
◆ 「じっとできない」は努力不足ではなく、脳からのメッセージ
子どもが不安定な動きを見せると、
大人はつい「落ち着いて」「集中して」と言ってしまいます。
でも本当は、
「この子の脳はいま、どんな負荷を受けているんだろう?」
と考える必要があるのです。
私たちは、吹田市・北摂地域で、
子どもたちの“脳のしんどさ”に寄り添う診療を続けています。
「落ち着かない」「座っていられない」
その行動の奥には、必ず理由があります。