ブログ

◆「朝になるとお腹が痛い」と言う子ども

「行きたくない…」とポツリとつぶやく。
「また休むの？」と声をかけても、黙り込んで布団から出てこない。

こうした状態が続くと、保護者の方も戸惑いや不安を感じます。

吹田市の心療内科「ゆうゆうからだとこころのクリニック」にも、北摂エリアの多くのご家庭から、不登校のご相談が増加しています。

◆ 「なぜ行けないのか」——簡単には言葉にできない心の中

不登校の背景には、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
以下は、代表的なパターンの一例です：

✅ 身体症状型：「腹痛」「頭痛」など、ストレスが身体に現れている
✅ 環境要因型：いじめ、先生との不和、学業のプレッシャー
✅ 発達特性型：感覚過敏、人間関係の難しさ、こだわりの強さなど
✅ 心理的要因型：うつ・不安・自己肯定感の低下

これらは単独ではなく、いくつもが重なり合っていることが少なくありません。

また、「休むことで家庭で安心を感じた」という体験が強化され、登校のハードルがどんどん上がってしまうこともあります。

◆ 「甘えさせていいのか？」という問いに対して

「このまま休ませていて大丈夫なんでしょうか？」
「厳しくしたほうがいいのでしょうか？」

保護者の方からこのようなご質問をよく受けます。

ここで大切なのは、
「行かせるか、休ませるか」の二者択一ではなく、
「どのように“心の安全基地”を育てるか」という視点です。

◆ 北摂地域でも変わりつつある「不登校」へのまなざし

北摂エリアの教育現場でも、不登校は「問題行動」ではなく、「子どもからのサイン」として受け止める動きが強くなっています。

🔹 登校刺激を減らして家庭での安心感を優先する支援
🔹 別室登校や保健室登校などの“グラデーション対応”
🔹 フリースクール・教育支援センターとの連携

これらは、子ども自身が“選べる”経験を通じて、自律と回復を取り戻していくための大切なステップです。

◆ 吹田市の心療内科でのサポート内容

「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、不登校のご相談に対して以下のような多角的な支援を行っています：

✅ 心理検査やカウンセリングによる背景の可視化
      → 不登校の背景にあるストレスや発達特性、感情の処理の癖などを把握します。

✅ 親子面談による関係性の修復と方針の整理
      → 「登校のゴール」ではなく、「家庭での安心」の再構築を第一に考えます。

✅ 必要に応じた医療的介入
      → 不安障害や抑うつ状態が強い場合は、薬物療法や心理療法を併用することもあります。

✅ 学校や教育センターとの連携
　　→ 担任やスクールカウンセラーとの情報共有、**復帰に向けた“段階的支援”**を一緒に整えていきます。

◆ ご家庭でできる3つの大切な姿勢

🔷 ①「わかろうとする姿勢」が子どもの心を開く
　　→ 「なんで？」と問い詰めるより、「あなたの心の声を知りたい」と伝えることが、対話の扉を開く鍵になります。

🔷 ② “無理やり”ではなく“希望を一緒に探す”
　　→ 「いつから行けるの？」ではなく、「どんな状態なら少し安心できるか？」を一緒に探る問いかけが効果的です。

🔷 ③ 家庭での安心感が“リスタートの土台”になる
　　→ 朝ごはんを一緒に食べる、散歩する、ゲームをする——登校ではない時間を大切に過ごすことで、再び社会とつながる力が育ちます。

◆ 「行けない自分」を受け入れてくれる場所があること

不登校の子どもたちは、
✅ 自分でもどうしていいかわからず
✅ でも誰にも相談できず
✅ ただ「行けない自分」に罪悪感を抱えていることが多いです。

だからこそ、「それでもあなたは大丈夫」「一緒に考えよう」と寄り添うことが、何よりの支援になります。

私たちは、吹田市・北摂地域のすべての子どもたちに、
「休むことは、回復するための選択肢」であるという社会のまなざしが届くようにと願いながら、日々診療を行っています。