“朝になるとお腹が痛い”——心因性身体症状の理解と支援
◆「またお腹が痛い…」登校前になると繰り返す訴え
「朝になると毎日お腹が痛いと言うんです」
「病院では異常がないって言われて…」
「本当に痛いのか、学校に行きたくないだけなのか…」
こうしたご相談は、吹田市の心療内科「ゆうゆうからだとこころのクリニック」にも日々寄せられています。
実際、北摂地域の学校現場でも、「朝の不調」が続く子どもは珍しくありません。
◆ 身体症状と“こころ”の関係
「お腹が痛い」「頭が痛い」「吐き気がする」
このような症状が、身体に明確な異常がないのに現れる場合、
それは「心因性身体症状(身体表現性障害)」と呼ばれることがあります。
これは、
子どもが“言葉では表せない不安やストレス”を、身体で表現している状態です。
特に、以下のような心の背景があると、身体症状として出やすくなります:
🔹 学校での対人関係の不安
🔹 完璧主義による自己プレッシャー
🔹 親子関係の緊張や変化
🔹 周囲への“いい子でいよう”とする努力疲れ
🔹 発達特性による感覚過敏や環境ストレス
◆ 「仮病」や「甘え」では決してない
「どうせズル休みしたいだけでは?」
「昨日は元気だったのに」
このような言葉は、子どもの“本当にしんどい”をさらに見えづらくしてしまいます。
実際、子ども自身も自分の中で矛盾を抱えています:
・「学校に行かなきゃとは思ってる」
・「でも、どうしても体が動かない」
・「言葉にしようとすると、涙が出てくる」
これこそが、心因性身体症状のもどかしさと、本人の苦しさです。
◆ 北摂地域で見られた事例
ある北摂の小学生(小4)の女の子は、毎朝「お腹が痛い」と言って学校を休みがちでした。
病院の検査では異常なし。
しかし、詳しく話を聞くと、
・学校でトイレに行くのが恥ずかしい
・授業で指名されることに強い不安がある
・掃除の時間にミスをして以来、周囲の目が気になるようになった
という背景が見えてきました。
これは「学校に行きたくない」のではなく、
**「学校という環境が“安心できない場”になってしまっていた」**ということです。
◆ 吹田市の心療内科での支援アプローチ
「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、以下のような段階的支援を行います:
🔹 ① 心因性かどうかのアセスメント(心理+身体)
→ 医療的原因が除外されたうえで、心理的ストレスとの関係を評価。
🔹 ② 子ども自身の言葉を引き出す支援
→ 直接的な「なぜ行きたくないの?」ではなく、
「どんな時にお腹が痛くなる?」「安心できるのはいつ?」といった質問で“気持ちの翻訳”を行います。
🔹 ③ 家庭と学校との連携
→ 「午前中は保健室対応」「週に1日は短縮登校」など、安心のリズムを取り戻す支援を調整。
🔹 ④ 認知行動療法(CBT)
→ 「不安がどう起きるか」「どう対応できるか」のモデルを一緒に可視化。
🔹 ⑤ 必要時の薬物療法
→ 強い不安・抑うつがある場合に慎重に適応。
◆ ご家庭でできる3つの支え方
🔷 ①「大丈夫?」より「いてくれてうれしいよ」
→ 症状の有無ではなく、“存在そのもの”を肯定する言葉を。
🔷 ② 少しずつ「安心できる経験」を重ねる
→ 「登校は無理でも、制服を着てみる」など、ハードルを細分化して“自信の回復”を図る。
🔷 ③ 結果よりも“過程を認める”
→ 行けなかったとしても、「今日も向き合おうとしたね」と伝えてください。
◆ 「学校に行く・行かない」ではなく「安心できるかどうか」
心因性身体症状は、
“こころが身体を通して叫んでいる”状態です。
症状を抑えることを目的にするのではなく、
**「この子が安心して呼吸できる場をどこにどうつくるか」**を、
周囲の大人と一緒に考えることが必要です。
私たちは吹田市・北摂地域で、
“朝が来るのが怖くない子どもたち”を増やすための支援を続けています。
症状の奥にある心に、
静かに、でも確かに耳を澄ませてみませんか。