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“比較ばかりする子”——自分の価値を他人で測ってしまう背景

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◆「〇〇ちゃんのほうがすごい」「僕なんて…」とつぶやく子どもたち

 ・テストや作品を見せたがらない、「下手って言われたらどうしよう」

 ・「あの子はもっと速くできたのに」「私は全然ダメ」と常に他人基準

 ・褒めても「でも〇〇ちゃんの方が上手だった」と返す

 ・友だちの結果や評価を気にしすぎる

 ・劣等感が強く、「比べて負けた」と感じた瞬間にやる気を失う

吹田市・北摂地域でも、自己肯定感に関する相談の中でよく話題に上るのが、
“他人と比べてしまう”子どもたちの心の揺らぎです。

「比べないでいいんだよ」と伝えても、
彼らはなぜか**“比べずにはいられない”
その背景には、「自分の価値は他人の中でしか見つけられない」**という、
不安定な自己認識の構造があります。

◆ 比較は“ダメ”ではない。でも“支配される”とつらくなる

私たちは本来、他人との比較から刺激や学びを得て成長します。
しかしそれが**「比較=劣っている」「勝たないと意味がない」**
という認知と結びつくと、比較は自己否定のスイッチになってしまいます。

比較行動

背景にある心理

友達の評価を気にしすぎる

自分の良さがわからない/評価の基準が外にしかない

成績・速さ・量で競う

“できる自分”しか価値を感じられない

他人の賞賛に過剰に反応

承認欲求が過剰化/「認められない=自分がいない」感覚

「どうせ自分は…」と落ち込む

自分の存在にOKが出せていない/過去の否定的体験の記憶

つまり、「比べてしまう子」は、
“自分自身のままでは不安”という気持ちを抱えている子でもあるのです。

◆ 北摂の事例:小6女子の「どこまでいっても自信が持てない」

北摂地域の小学校に通う6年生の女の子。
学力も高く、手先も器用で、何をやってもそつなくこなせる。

しかし、どんなに成果を出しても
「でも、あの子には敵わない」
「上には上がいる」と常に誰かと比較し続けていました。

カウンセリングの場で、彼女はこう語りました。

「比べるの、やめたくてもやめられない」
「すごいって言われても、誰かがもっとすごいと思うと、意味がなくなる」

これは、“自分”の輪郭が曖昧なまま、他者を参照してしか存在を確認できない状態でした。

◆ 「比べないで」は届かない。“比べる理由”に寄り添う視点が必要

よくある言葉

子どもの受け取り方

「比べなくていいよ」

(比べないと、自分がどこにいるかわからない)

「あの子はあの子、あなたはあなた」

(そう言っても、やっぱり気になる…)

「前よりできてるじゃん」

(でも、あの子の方がもっとできてる)

だからこそ必要なのは、比較の否定ではなく、
“比べたくなる自分”を理解してもらえる安心感です。

◆ 吹田市の心療内科での支援:比較を“自分の軸”に変えていく道のり

「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、
比較によって自己肯定感が揺らぎやすい子どもたちに対し、以下の支援を行っています。

🔹① 「誰と比べたくなったの?」を一緒に言語化する

   → 比較対象はその子にとっての「理想」や「恐れ」の投影であることが多い
    → 「その子の何がうらやましかった?」という対話が自己理解につながる

🔹② 「前の自分との比較」の視点を習慣づける

   → 「昨日の自分とくらべたらどう?」
    → 他者評価から“自己基準の成長実感”への視点転換を促す

🔹③ 「比べること」を否定せず、“比べた先の自分”に焦点を当てる

   → 「あの子は早い。自分は丁寧にできる」
    → “違いを比べる”ことで自己理解が深まる体験を重ねる

🔹④ 比較せずとも“認められる経験”を積み上げる

   → 結果ではなく、プロセスや姿勢への承認
    → 「誰かより上じゃなくても、自分には意味がある」経験が土台になる

◆ ご家庭でできる3つの工夫

🔷 ① 比較的な言葉の反射で返さない

   →「そんなことないよ、あなたのほうが上手だよ」ではなく、
    → 「そう感じたんだね」「どうしてそう思ったの?」と感情を言語化する場に

🔷 ② 家族の中でも「結果」より「プロセス」を承認する習慣を

   → 「100点すごいね!」ではなく、
    「頑張って毎日やってたの、ちゃんと見てたよ」など
    → “見てくれている”という実感が、比較の鎧をやわらげる

🔷 ③ 子どもが自分を振り返る場面を意図的に作る

   → 今日の「できたこと」や「がんばったこと」を1つずつ言葉にする習慣
    → “自分を見る目”を養う時間が、他人に奪われた自己評価を取り戻す

◆ “比較の迷路”から抜け出すために必要なのは、「違いのまま愛される経験」

他人との違いを感じることは、成長の一部です。
でも、その違いが「自分には価値がない」と直結してしまうと、心は摩耗していきます。

だからこそ、
「あなたはあなたのままで、ここにいていい」
というメッセージが、何よりも大切なのです。

吹田市・北摂地域で、私たちは
“比べることで苦しくなる子どもたち”に、
「違いは、あなたを形作る材料だよ」と伝える支援を続けています。