“気になる子”にどう関わる?——周囲のまなざしが変える支援の質
◆「この子、なんだか他の子と違う…」という感覚
・集団行動で一人だけ動きがち
・先生の話に割り込む/空気を読まずに話し続ける
・不機嫌になりやすく、癇癪を起こすこともある
・頻繁にトラブルに巻き込まれるが、本人は無自覚
・ある場面では活躍できるのに、他の場面では極端に不安定になる
吹田市・北摂地域でも、こうした“気になる子”の存在が増えており、
保育や教育の現場から「どのように関わればよいか?」という声が多く寄せられています。
“診断名”がついている・いないにかかわらず、
「この子、ちょっと気になるな」という感覚は、支援の入り口になる重要なサインです。
◆ “気になる”のは、「困っている」のサイン
|
周囲に見える行動 |
背後にある可能性 |
|---|---|
|
集団に馴染めない |
感覚過敏/社会的な理解の難しさ |
|
指示が通りにくい |
ワーキングメモリや実行機能の弱さ |
|
不安定な情緒 |
自己調整の未熟さ/安心感の欠如 |
|
突発的な行動 |
衝動性/不安による過敏反応 |
つまり、“問題行動”に見えるものの多くは、
**「適応が難しい環境の中での、精一杯の反応」**なのです。
◆ 北摂の事例:年長男子の「いい子と困った子の二面性」
ある保育園に通う年長の男の子。
自由遊びでは友達と笑顔で遊べるが、集団行動になると落ち着きがなくなる。
先生の指示に応じず、「怒られる→反発する→泣く→また怒られる」というループ。
あるとき担任が「この子にどうしてあげればいいのかわからなくなった」と相談に来ました。
家庭ではとても優しい一面があり、
お母さんからは「園での様子が信じられない」と言われていたそうです。
カウンセリングの中でわかってきたのは、
・集団での切り替えや見通しが苦手
・視覚的な刺激に敏感で、人が多いと集中しづらい
・失敗経験を過度に引きずり、強い自己否定がある
つまり彼は、「気になる子」である以前に、
**環境によって“困ってしまう子”**だったのです。
◆ 「支援」ではなく「まなざし」のあり方が支援になる
|
まなざしの変化 |
子どもにとっての意味 |
|---|---|
|
「できない子」から「違いのある子」へ |
自己否定からの解放/個性としての受容 |
|
「問題のある子」から「困っている子」へ |
責められる感覚から、助けてもらえる感覚へ |
|
「支援対象」から「共に育つ存在」へ |
対等な関係性/自己肯定感の育成 |
子どもは、大人のまなざしを“鏡”のようにして、
自分がどんな存在かを学んでいきます。
◆ 吹田市の心療内科での支援:「困っている姿を見つける力」を育てる
「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、
“気になる子”への支援にあたり、以下のような関わりを大切にしています。
🔹① 行動の「背景」を丁寧に掘り下げる
→ ✖「落ち着きがない」
◯「刺激が多くて集中しづらい」「指示が抽象的で理解が難しい」
→ 行動そのものより、背後にある“見えない困難”に焦点を当てる
🔹② 関係者で“困りごとマップ”を共有する
→ 家庭・園・医療がバラバラに支援すると、子どもが混乱しやすい
→ 「どこで・どんな困難が・どう表れるか」を言語化し、共通認識をつくる
🔹③ 「できない」ことにこだわらず、「できる環境」から支援する
→ 大人数では無理でも、少人数ではスムーズ
→ 環境調整で“行動そのもの”が変わることも多い
🔹④ 保護者の「理解者」になることを重視する
→ 保護者は「この子のせい?」「育て方のせい?」と自分を責めやすい
→ 保護者の不安や孤立感を減らすことで、子どもへの関わりにも余裕が生まれる
◆ ご家庭でできる3つの視点の切り替え
🔷 ① 「なんでできないの?」ではなく「どこが難しい?」と聞いてみる
→ 問題の責任ではなく、共有する課題として捉えられる
🔷 ② 「またやった」ではなく「また困ってるんだ」と考える
→ 行動の意味づけが変わることで、関わり方も穏やかになる
🔷 ③ 「気になる子」に“困っている大人”が支えられていることに気づく
→ 子どもが見せる“違い”が、大人のまなざしや集団の在り方を問い直す機会になる
◆ “気になる子”は、環境の「質」を教えてくれる子
彼らの存在は、
集団の在り方・指示の出し方・人間関係の質を映すリトマス試験紙でもあります。
だからこそ私たちは、
子ども自身ではなく、私たちの関わり方そのものを問い直す視点を持ち続けたいのです。
吹田市・北摂地域で、私たちは
“違い”を「支援対象」ではなく「育ちの多様性」として受け止め、
まなざしの変化から始まる支援を続けています。