“泣けない子”——感情を止めてしまう心の防衛
◆「強い子」に見えるけれど
・つらい出来事があっても涙を見せない
・怒られても無表情のまま黙っている
・周囲が泣いている場面でも冷静に振る舞う
・「平気」と繰り返す
・本人も「何も感じない」と言うことがある
吹田市や北摂地域の学校や家庭でも、
「この子は泣かないんです」「本音が見えなくて心配です」という声を聞くことがあります。
泣かないことは、
必ずしも“強さ”ではありません。
時にそれは、感情を止めることで自分を守ってきた結果であることがあります。
◆ 泣くことは、未熟さではない
涙は、
悲しみや悔しさ、怖さといった感情が溢れたときに自然に出る反応です。
本来は、
・感情を外に出す
・周囲に助けを求める
・心の負荷を軽くする
という役割を持っています。
しかし、
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子どもの背景 |
起こりうる反応 |
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泣くと叱られた経験 |
感情を抑える学習 |
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弱さを笑われた体験 |
無表情という防衛 |
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家庭で我慢が求められた |
本音を閉じる |
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強い役割を担ってきた |
弱さを出せない |
こうした経験が重なると、
“感じない”のではなく、“感じないようにする”回路が強化されます。
◆ 北摂の事例:小3女子の「平気な顔」
北摂地域の小学校に通う3年生の女の子。
友達とのトラブルがあっても、「別に」と言うだけ。
家でも、嫌なことを話さない。
しかし夜になると腹痛を訴え、
学校の話題になると黙り込む。
面談で少しずつ出てきた言葉は、
「泣いたら、めんどくさいって言われる」
「強いって思われてるから」
彼女は、
“泣かない自分”でいることで、関係を保とうとしていたのです。
◆ “泣けない子”の内側
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外から見える姿 |
心の中 |
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無表情 |
感情の凍結 |
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反応が薄い |
表現の回路が閉じている |
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平然としている |
体に症状として出ることも |
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「平気」 |
本音の言語化が難しい |
感情は、
出せなければ消えるわけではありません。
行き場を失った感情は、体や行動に形を変えることがあります。
◆ 吹田市の心療内科での支援:「感じること」を安全にする
「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、
泣けない子に対して、
無理に涙を引き出すことはしません。
大切にするのは、
“感じても大丈夫”という体験を積むことです。
🔹① 感情に名前をつける練習
→ 悲しい、悔しい、さみしい、モヤモヤ
→ 小さな言葉から始める
🔹② 体の感覚に注目する
→ 「胸がギュッとする?」
→ 感情を直接言葉にできなくても、身体感覚からアプローチ
🔹③ 涙を評価しない
→ 「泣いたね」だけで止める
→ 良い・悪いをつけない
🔹④ 大人が感情を自然に表現する
→ 「今日は悲しかったな」
→ モデルを見せることが安心につながる
◆ ご家庭でできる3つの関わり
🔷 ① 「なんで泣かないの?」と言わない
→ 出ない涙を責めない
🔷 ② 小さな感情に反応する
→ 「ちょっとイヤだったんだね」と拾う
🔷 ③ 涙が出たら、解決を急がない
→ まずは「ここにいるよ」と伝える
◆ 泣けない子は、「泣く余裕がなかった子」
彼らは弱いのではなく、
早く大人になろうとしすぎた子です。
感情を止めることで、
環境に適応してきました。
だからこそ、
今からでも遅くありません。
感じてもいい、泣いても壊れない世界を、
少しずつ体験していくことが大切です。
吹田市・北摂地域で、私たちは
泣けなかった子どもたちが、
自分の感情と再びつながるプロセスを支えています。