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◆「死にたいわけじゃない。でも、生きてる理由がわからない」

吹田市や北摂地域の子どもたちと向き合っていると、
時に、胸の奥が締めつけられるような言葉に出会います。

「別に死にたいわけじゃないけど、生きてる意味が思いつかない」
「生きてるのが重い。楽しくない」
「いなくなったらどうなるんだろうって考える」

これは、単なる思春期の愁いでも、軽い気持ちの言葉でもありません。
**希死念慮（死についての反復的な思考や願望）**は、
子どもたちが体験している“深い孤独”や“存在の不安定さ”を反映する、重大なサインです。

◆ 「死にたい」は“死にたくない”の裏返しであることが多い

心理臨床の現場では、「死にたい」という言葉が、
必ずしも“本当に死を望んでいる”意味ではないことを知っています。

その裏には、

　・誰かに気づいてほしい

　・苦しさから解放されたい

　・今の状況が続くことに耐えられない

　・助けを求める言葉を知らない

といった、もっと根源的な生の叫びが潜んでいます。

子どもはまだ経験も語彙も限られているため、
“生きづらさ”をうまく言語化できず、
結果として「生きる・死ぬ」という極端な言葉で表現してしまうことがあるのです。

◆ 北摂のケース：中2の女の子が語った「しんどさの形」

北摂地域の中学2年生の女の子。
成績はよく、周りからも「しっかりしている」と言われるタイプでした。
しかし、家ではベッドから起き上がれず、食欲も低下。
ある日、保護者が部屋を覗くと、静かに涙を流しながら言いました。

「私がいなくなっても、誰も困らないよね」
「誰にも迷惑かけたくないけど、生きてるのもしんどい」

これは、抑うつ症状と過緊張が長期化した結果、
「自分という存在の意味」が見えなくなってしまった状態でした。

こうした言葉は、ただの気まぐれでも、思春期の反抗でもありません。
積み重なった痛みの総量が、ようやく言葉になって出てきたものなのです。

◆ 吹田市の心療内科で行う支援

「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、
こうした希死念慮を持つ子どもたちに対して、
「危険度の評価」と同時に「背景の理解」を最重視します。

🔹 ① 安全確保（リスクアセスメント）
　　　→ 具体的な計画の有無、衝動性、不安定要因、家庭環境を総合的に評価。

　

🔹 ② 苦しさの正体を言語化していく支援
　　　→ 「死にたい」の奥にある感情（恥・孤独・無力感・疲弊・恐怖）を一つずつ丁寧に拾う。

　

🔹 ③ 生活リズムの立て直し
　　　→ 睡眠・食事・活動量が、希死念慮の強弱に直結するため、身体面の回復を重視。

　

🔹 ④ 家族支援（責めない・急かさない関わり）
　　　→ 親の焦りは子どもに伝わるため、「一緒にいるよ」「大丈夫、ひとりじゃない」を伝える。

　

🔹 ⑤ 必要に応じた薬物療法・心理面接
　　　→ 抑うつの改善、過緊張の緩和、思考の偏りの修正などを段階的に進める。

◆ 家庭でできる3つの寄り添い方

🔷 ① “正論”より“共感”を優先する
　　　→ 「そんなこと言わないの」ではなく、「そんなにしんどかったんだね」と受け止めることが、回復の入口。

　

🔷 ② 生きる意味を一緒に探さなくてもいい
　　　→ 子どもが必要なのは「意味」ではなく、「つながり」。
　　　　存在自体が受け止められていると実感することが最優先。

　

🔷 ③ 小さな快を一緒に見つける
　　　→ 散歩、好きな飲み物、一緒に過ごせる静かな時間。
　どれも“生をつなぐ力”になります。

◆ 「死にたい」と言えるのは、信頼の証でもある

子どもが「生きてる意味がわからない」と口にしたとき、
それはあなたにだけは本音を伝えたいというサインでもあります。

大人ができる一番大切なことは、
その言葉に驚いたり、否定したりせず、
**“その痛みを一緒に持つ姿勢”**を示すこと。

吹田市・北摂地域で、私たちは子どもたちの命の輪郭が曖昧になるほどのしんどさに、
静かに、しかし確かに寄り添うことを大切にしています。