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“自分を責めすぎる子”——過度な内省とセルフコンパッション

◆ 「ごめんなさい」が口癖の子どもたち

 ・ちょっと注意しただけで泣き出してしまう

 ・友だち同士のトラブルでも「私のせい」と言う

 ・先生や親の機嫌に敏感に反応して過剰に謝る

 ・思い出し泣きや自己否定的な独り言が続く

吹田市・北摂地域の保護者や教育関係者からも、
「すぐに自分を責めてしまう子」に関する相談は少なくありません。
問題行動を起こすわけではないけれど、**心の中で“自分を傷つけ続けている”**という深い問題を抱えているのです。

◆ 自己否定の構造:どこから来るのか?

子どもが“自分を責める”癖を持つ背景には、以下のような心の動きが関係しています。

① 期待に応えられなかった罪悪感

「いい子でいたい」「がんばりたい」と思っていたのに、
思うようにできなかったとき、そのギャップが自己否定に変わることがあります。

② 他人の気持ちを背負いすぎる

感受性が高い子どもほど、周囲の機嫌や空気を自分の責任と感じ、
「あの子が怒ったのは、私が悪かったから」と思い込むこともあります。

③ 自分の“内面”を見る力が発達しているが、扱い方が未熟

内省力が高いことは素晴らしい資質ですが、
それが未成熟な時期には、反芻・自責・自己処罰的な思考へ傾いてしまいやすいのです。

◆ 北摂の事例:中学1年の男子生徒の“止まらない反省”

北摂地域の中学校に通う男子生徒は、
些細なことでミスをすると、翌日になっても「昨日のこと、まだ反省してます」と繰り返し語り、
夜になると自分の胸を叩いたり、独り言で「なんであんなこと言ったんだろう…」と責めていました。

面談で、彼はこう語りました。

「僕が間違えると、みんなが迷惑する」
「本当は、僕なんかいない方がいいと思うときがある」

彼は「悪いことをしていないのに、自分が悪いと感じてしまう」慢性的な自責のスパイラルに陥っていたのです。

◆ 吹田市の心療内科での支援:セルフコンパッションの育成

「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、
このような子どもたちに対して、以下のようなアプローチを行います。

🔹① 自己批判の思考パターンを“見える化”する

   → 「また自分のせいにしてるね」と気づけるように、
     思考のクセを第三者の目線で扱えるようサポートします。

🔹② “ミス”と“価値”を切り離す練習

   → 「間違えること=価値がない」ではなく、
    「間違えても、あなたの大切さは変わらない」というメッセージを繰り返し届けます

🔹③ セルフコンパッション(自分への思いやり)の習慣化

   → 「そんな自分でもいいよ」「しんどかったね」と、
     自分自身に対して優しくする言葉を日常に取り入れます。

🔹④ 自分の“がんばり”に目を向ける

   → 結果ではなく「その過程でどんな努力をしたか」を一緒に振り返り、可視化する支援を行います。

🔹⑤ 家庭・学校との連携:評価の仕方を見直す

   → 「もっとできるでしょ?」という励ましが、
     “まだ足りない”というメッセージに変換されていないかを確認します。

◆ ご家庭でできる3つの工夫

🔷 ① 「結果」より「気持ち」に寄り添う

   → 「頑張ったのはわかってるよ」
   → 「できた・できなかったより、どう感じたかを大事にしようね」

🔷 ② 親も“失敗する姿”を見せる

   → 「あれ?間違えたな〜」
   → 「ちょっと落ち込んだけど、またやってみるよ」
こうした姿を見せることで、“間違えても大丈夫”という学びになります。

🔷 ③ 子ども自身の言葉で“ねぎらう”経験をする

   → 寝る前に「今日の自分、どんなところがよかった?」と問いかける
   → 「よく起きた」「泣かずに行けた」など、自分を労う言葉を育てます。

◆ 「自分を大切にする力」こそ、生きる土台になる

自分を責めてばかりの子は、
それだけ**「よくありたい」「傷つけたくない」という優しさや誠実さ**を持っている子でもあります。

その資質を、自分自身にも向けられるようになること——
それが“こころの回復”の鍵です。

吹田市・北摂地域で、私たちは
子どもたちの**“自己へのまなざし”が少しずつ優しくなるように**支援を重ねています。