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“親に本音を言えない”——安心できる関係の再構築

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◆「なんで言ってくれないの?」と感じるとき

 ・学校でつらいことがあっても話してくれない

 ・家では冗談ばかりで、本音を見せてくれない

 ・イライラをぶつける相手は家族だけ

 ・「別に」「なんでもない」が口癖になっている

吹田市や北摂地域の保護者からも、
「うちの子、何を考えているのかわからない」
「本音を言ってくれない」
という相談は非常に多いです。

しかし、“話さない”ことは必ずしも信頼がないという意味ではありません。

むしろ、多くの子どもにとって、
**「親にこそ言えない」**という構造があるのです。

◆ なぜ親に本音を言えなくなるのか?

理由は子ども一人ひとり違いますが、大きく分けると次の4つです。

① 親を傷つけたくない(配慮性の高さ)

「心配をかけたくない」
「がんばってる姿だけ見てほしい」

子どもは思っている以上に“親の気持ち”を敏感に読み取ります。

② 期待に応えられない自分を見せるのが怖い

「こんな弱い自分を知られたら、がっかりされる」
「できる子と思われていたい」

こうした“役割としての自分”を壊すことは、ときに大きな恐怖を伴います。

③ 過去に本音を否定された経験がある

 ・「そんなこと気にする必要ない」

 ・「考えすぎ」

 ・「もっと頑張ればできるよ」

こうした“善意の正論”が、子どもの心を閉ざすこともあります。

④ 言語化するだけの心の整理ができていない

思春期の子どもは、自分の気持ちを言語化する前に、
心の中で渦が巻いている状態になることがあります。

「言いたいけど、言葉にできない」
「よくわからないから、話せない」

そんな“未整理の感情”を抱えていることも少なくありません。

◆ 北摂のケース:中1男子の「沈黙」の理由

北摂で診ていた中学1年生の男の子は、
学校でトラブルが続いても、家では一言も話さず、
「別に」「大丈夫」の一点張りでした。

しかし面談で、ぽつりとこう語りました。

「お母さん、すぐ泣くから、言いたくない」
「言ったら、“どうしてそんなことに…”って責められそうでこわい」

彼は本音を隠したかったのではなく、
親を守ろうとしていたのです。

◆ 吹田市の心療内科で行う支援:関係の“再構築”

「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、
“親に本音を言えない”子どもに対して次のようなアプローチを行います。

🔹① 本音を話す練習は、まず「医療者との関係」から

安全で中立な場所で気持ちを整理し、
「大人に聞いてもらう」経験を積むことが第一歩です。

🔹② 親との対話は、「正面」ではなく「並列」で行う

真正面から“さあ話して”と言われると緊張します。
並んで歩きながら、運転中、食事中など、
“横並び”の距離感が心を開きやすくします。

🔹③ 親の反応のパターンを変える支援

 ・驚かない

 ・否定しない

 ・すぐ解決しようとしない

 ・アドバイスを急がない

これらは子どもが「話しても大丈夫」と感じる上で非常に重要です。

🔹④ “言えた経験”を積み重ねていく

例えば、

 ・「今日、ちょっとしんどかった」

 ・「クラスで小さなイヤなことがあった」

こうした微細な本音を聞けるようになるだけで関係は変わります。

◆ ご家庭でできる3つの工夫

🔷 ① 本音を求めない。「気配」を感じ取る

「何があったの?」と迫るより、
「今日は疲れてそうだね。そばにいるよ」
そんな柔らかい声かけが、安全基地をつくります。

🔷 ② 話すタイミングは“子どもが決める”

本音は、大人が準備をしても子どもは準備できていません。
話したくなった瞬間は突然来る
そのときに耳を開いておけるかが重要です。

🔷 ③ 親自身が「本音を話す姿」を見せる

 ・「今日は職場でちょっと落ち込んだ」

 ・「実は不安だったんだよね」

こうした“弱さの共有”は、子どもにとって
“本音を話すってこういうことか”という学習の場になります。

◆ 本音は、信頼の深まりとともにゆっくり出てくる

「言ってよ!」ではなく、
**「言いたくなったときに言えばいいよ」**と言える関係こそ、本当の信頼です。

子どもは、安心の量に比例して、本音を少しずつ見せてくれます。
焦らず、責めず、待つ——
その時間が、親子の絆を深めていきます。

吹田市・北摂地域で、私たちは
**子どもが“自分の言葉で世界とつながれる力”**を育てる支援を大切にしています。