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“質問ばかりする子”——確認行動と不安のメカニズム

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◆「これで合ってる?」「もう一回聞いてもいい?」が止まらない

 ・「この道で合ってる?」と何度も確認する

 ・「今日の時間割、ほんとにこれ?」としつこく聞く

 ・「忘れ物ない?」「失敗しない?」と何度も念を押す

 ・自分でわかっていることも、わざわざ聞いてくる

吹田市・北摂地域の保護者や先生方からも、
「この子、なんでこんなに確認ばかりするの?」
「不安なのか、注意力が足りないのか分からない」
という声がしばしば寄せられます。

実はこうした**“質問ばかりする子”**には、
**「わかっていても、安心できない」**という
心のメカニズム=“確認行動”のループが存在していることが多いのです。

◆ 確認行動とは、「わかってるのにやめられない」心の習慣

確認行動とは、本来一度で済むはずの確認を、
不安や心配から何度も繰り返してしまう行動パターンのことです。

典型的な確認内容

背景にある不安

忘れ物・時間の確認

「準備ができていないと責められる」

他人の反応の確認

「嫌われたらどうしよう」

行動の正しさの確認

「間違ったら大変なことになる」

ルールや順番の確認

「曖昧さが怖い」「予定が変わると混乱する」

このように、確認行動は“思考”というより“安心するための儀式”のようなものとして働いているのです。

◆ 北摂の事例:小2男子の「10回の確認質問」

北摂地域の小学校に通う2年生の男の子。
下校時刻になると、「ほんとにこの道でいい?」と先生に5回以上聞き、
帰宅前にも「お母さん家にいるかな?」と電話をかけたがる日々が続いていました。

一見“こだわりの強さ”にも見えましたが、
丁寧に話を聞いていくと、こんな言葉が出てきました。

「まちがえたら、もう戻れなくなるかもって思う」
「あってても、なんか“確か”じゃないと気持ち悪い」

これは、“誤りへの不安”と“確信できない感覚”の中で揺れている心のサインでした。

◆ 質問が止まらない子の認知的特徴

行動の特徴

心の中で起きていること

質問を繰り返す

「正しい」と分かっていても確信が持てない

答えをすぐ忘れる

不安が強すぎて記憶が定着しない

曖昧な表現に強く反応

「大体」「たぶん」では安心できない

質問の直後にまた不安

安心感の“持続力”が極端に短い

これは、発達特性(ASDやADHD)や不安傾向、過去の体験などが複合的に関わっている場合があります。

◆ 吹田市の心療内科での支援:“安心の回路”を育てるトレーニング

「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、
確認行動が多い子どもたちに対して、以下のような支援を行っています。

🔹① 「答え」ではなく「確信感」の育成をめざす

  → 質問にすぐ答えるのではなく、
   「さっきも言ってたね。自分ではどう思う?」と自分の判断力に戻していく対応を行います。

🔹② “わからなさ”に耐える練習を少しずつ導入

  → 「少しモヤモヤしても大丈夫だった」
   「答えがすぐに出なくても混乱しなかった」
    という**“不確かさへの耐性”を体験的に積み重ねます。**

🔹③ 「質問しても安心しなかった」記録を一緒に整理

  → 質問を繰り返した結果、どうなったかを日記などで振り返り、
   “確認では不安は消えない”という気づきを育てます。

🔹④ 質問の“前に出る不安”に名前をつける

  → 例:「また間違えたらどうしよう不安くん」「心配マン登場」など
   不安のキャラクター化によって、自分の心の動きと距離をとる練習をします。

◆ ご家庭でできる3つの工夫

🔷 ① すぐに答えを出さず、「自分ではどう思う?」と返す

  → 答えを渡すと一時的には安心しますが、
   “不安の処理スキル”は育ちにくくなります。

🔷 ② 質問が止まらないこと自体を責めない

  →「うるさい!何度も言ったでしょ!」ではなく、
   「それだけ心配なんだね」「安心したい気持ちがあるんだね」と言語化します。

🔷 ③ “安心ポイント”を日常の中で蓄積する

  → 例:「昨日もその道で帰れたよね」「今日も大丈夫だったね」など、
   “できた実績”を見える形で積み重ね、次の安心材料にします。

◆ 質問が止まらないのは、“安心がうまく育っていない”だけ

「この子、なんでこんなに聞いてくるの?」と戸惑う前に、
ぜひ問い直してほしいのは、
「この子は、どこで安心できていないのか?」という視点です。

繰り返す質問は、心の中の小さな声が形を変えて現れているのかもしれません。
「安心って、こういうことか」と、
体験で理解していくプロセスを一緒に育てていくことが、最も大切なのです。

吹田市・北摂地域で、私たちは
“質問が止まらない子どもたち”の不安に丁寧に寄り添いながら、
「不安があっても大丈夫」と思える力を一緒に育てる支援を続けています。