“過度に大人びた子”——しっかりして見える子の心の内側
◆「しっかりしてるね」と言われ続ける子の、静かなSOS
・年齢の割に言葉づかいや態度が落ち着いている
・大人の期待をよく理解して行動する
・下の子の面倒をよく見る
・困っても「大丈夫」と言ってしまう
・頼られる役割に慣れていて、感情をあまり見せない
吹田市・北摂地域でも、「あの子は手がかからないから」と周囲から一目置かれている子がいます。
けれど実際には、その“しっかりした態度”の奥に、誰にも見せられない不安や孤独が隠れていることも少なくありません。
◆ 大人びた子=心が成熟している、ではない
外から見ると「頼りになる子」「安心して任せられる子」
でもその内側では…
・本当は甘えたいのに、言えない
・頼った時に拒まれた経験があり、再び傷つくのが怖い
・しっかりしていないと、価値がないと感じてしまう
・周囲の期待に応えないと、自分の居場所がなくなる気がする
こうした子どもたちは、早くから“自己抑制”と“他者調整”の技術を身につけてしまっているのです。
◆ 北摂の事例:小5女子の「お姉さん役疲れ」
北摂地域の小学校に通う5年生の女の子。
母子家庭で下に2人の弟がいる彼女は、
「お母さんに心配かけたくない」と、いつも明るく元気にふるまっていました。
しかしある日、学校で突然過呼吸のような症状を起こし、
保健室で「息がうまくできない」と泣き出してしまいました。
カウンセリングで彼女はこう話しました。
「お母さん、大変だから、わたしががんばらなきゃって思ってた」
「わたしが泣いたら、家がこわれそうな気がして…」
これは、“しっかり者”としてふるまうことで、家庭や関係を支えようとしてきた子どもの限界のサインでした。
◆ 大人びた子が抱える“役割性”の重さ
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表面的な姿 |
背景にある心理 |
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指示されなくても動く |
他人の期待に敏感すぎて“察して動いてしまう” |
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甘えることが少ない |
過去に甘えを拒まれた経験/“弱さ=悪”という認知 |
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感情を抑える |
泣くと迷惑がかかる/喜怒哀楽が“危険”だと学習 |
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小さなミスを過剰に気にする |
失敗=信頼を失うと感じている |
つまり、「しっかりしている」ように見えるのは、環境や関係への“適応”であって、必ずしも内面の安定を示しているわけではないのです。
◆ 吹田市の心療内科での支援:“役割”を降りられる場所をつくる
「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、
過度に大人びた子どもたちに対して、以下のような支援を行っています。
🔹① 「がんばってるね」より「本当はどうしたい?」と聴く
→ 評価や感謝の前に、
“本人の声”にアクセスする関わりを大切にします。
🔹② 「甘える=依存」ではなく「信頼の表現」と再定義する
→ 甘えたくなったときに「そうしたくなるのは自然だよ」と伝え、
“助けを求める”ことに罪悪感を抱かないように支援します。
🔹③ 「しっかりしなきゃ」の背景にあるストーリーを整理する
→ 家庭や学校での役割感、期待の積み重ね、
“なぜ自分はこうふるまってきたのか”を一緒に言語化していきます。
🔹④ 小さな“ゆるみ”を日常に導入する
→ すべてを背負わなくてもいい、
“他人に委ねる練習”を安全な場面から始めていきます。
◆ ご家庭でできる3つの関わり方
🔷 ① 「ありがとう」よりも「あなたが無理してないか心配」と声をかける
→ がんばりに感謝するだけでなく、
“その背景にある努力の量”に目を向ける言葉がけが有効です。
🔷 ② 「弱音=わがまま」にならないような空気を家庭に
→「疲れた〜」「今日は無理〜」を言っても大丈夫、
そんな一言が受けとめられる雰囲気を家庭に根づかせる。
🔷 ③ 「〇〇しなくても、あなたは大切だよ」と伝える
→ 結果や行動ではなく、
“存在そのものが愛されている”というメッセージを、日常的に送り続けること。
◆ しっかりした子ほど、誰かに甘えることが必要
「しっかりしている」は、
子どもにとっては褒め言葉であると同時に、
“一人で背負っている”ことのサインでもあります。
そんな子どもにこそ、
**「今だけは、頼ってもいい」「あなたの弱さを受けとめる大人がいる」**というメッセージが必要です。
吹田市・北摂地域で、私たちは
“しっかりした子”のふるまいの奥にある揺れに目を向け、
「しっかりしなくても愛される経験」を支える支援を続けています。