“頑張りが続かない子”——やる気とエネルギーの波に寄り添う
◆「やる気になったと思ったら、すぐやめてしまう」
・宿題や課題に一度は手をつけるが、途中で投げ出す
・「やる!」と言ったのに、数分後には飽きている
・習い事に行きたがらなくなり、「疲れた」「今日はいいや」
・始めるまではグズグズ、始めてもすぐ集中が切れる
・「やる気がない」と見なされ、叱られがちになる
吹田市・北摂地域でも、「根気がない」「すぐにやめてしまう」子どもへの心配や悩みは非常に多く、
「集中力がないから?」「性格の問題?」と問われることもあります。
しかしその背景には、**“エネルギーの波”や“自己調整の未発達”**が隠れている場合が多く、
表面的な「やる気の有無」だけでは測れないものがあるのです。
◆ “やる気がない”のではなく、“やる気を維持する力が育っていない”
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行動 |
背景にある要因 |
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少しやってすぐやめる |
集中の持続が苦手/目標を細かく分けられていない |
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飽きっぽい |
好奇心はあるが、選択肢が多すぎて方向づけられない |
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長く続けられない |
ワーキングメモリの弱さ/自分で進捗を把握する力が未熟 |
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「やる気が出ない」と言う |
始め方が分からない/最初の一歩の負荷が高すぎる |
つまり、**やる気は“ある・ない”ではなく、“維持しやすい環境・やり方があるかどうか”**なのです。
◆ 北摂の事例:小5男子の「最初の3分だけ全力」
北摂地域の小学校に通う5年生の男の子。
宿題や自由研究を始める時は一見やる気満々。
机に向かい、道具もそろえ、よし!と意気込む。
…が、5分後には別のことを始めてしまう。
「最後までできたことがほとんどない」と本人も語ります。
彼の言葉:
「やる気があるときはあるけど、頭が疲れると全部消える」
「何をどう続ければいいのか、途中で分からなくなる」
これは、**エネルギーの一気集中と、持続のための“調整力の不足”**の典型でした。
◆ “やる気が続かない”子どもたちの認知的な特徴
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特徴 |
支援的な理解 |
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見通しが立てられない |
作業全体が抽象的で、“今どこにいるか”が分かりにくい |
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ゴールへの距離感がつかめない |
成果が遠すぎると、“終わりが見えない”苦しさに変わる |
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自己調整が難しい |
疲れ・気分・環境の変化をうまくキャッチできない |
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“完璧にしよう”と思いすぎる |
最初の一歩が重くなり、“やる前にやめたくなる” |
「やる気がない」のではなく、
“やる気を続けるための道筋”を一緒に見つけられていないだけなのです。
◆ 吹田市の心療内科での支援:“頑張る”の設計そのものを見直す
「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、
頑張りが続かない子どもたちに対して、以下のような支援を行っています。
🔹① 目標を“時間・行動・成果”で具体化する
→ 「30分やる」より、「3分で1問×5セット」など、
“始まりと終わりのイメージ”を明確にすることで取りかかりやすくなります。
🔹② “最初の一歩”を限りなく軽く設計する
→ 例:宿題を「開く」だけでもOK/鉛筆を持つところから始める
→ “動き出すこと”の成功体験が、次のやる気をつくります。
🔹③ “頑張る前に休む”計画を組み込む
→ 5分作業→1分息抜き、を事前に予定に入れることで
→ “集中が切れたら終わり”ではなく、“切れる前にリセット”できる設計へ
🔹④ “できたこと”の記録と視覚化を習慣に
→ シール・スタンプ・カレンダーに記録など
→ 「こんなにできた」が目に見えると、“続ける価値”を実感しやすくなります。
◆ ご家庭でできる3つの工夫
🔷 ① 「最後までやりなさい」より、「今どこまでやった?」と声かけを
→ 進捗の可視化と確認が、持続の手綱を支える関わりになります。
🔷 ② やる前の不安・混乱に“選べる選択肢”を用意する
→ 「どれからやる?」「場所変えてみる?」など、
自分で決める=やる気スイッチの起動につながります。
🔷 ③ “やめた”ことを否定しない
→ 「途中でやめた=ダメ」ではなく、
「今日はここまでやったね」「明日はここからやってみよう」と、
“次につなげる表現”を意識する
◆ 「やる気の波」は“エネルギーと心のリズム”でできている
波は、引くからまた満ちる。
子どもたちのやる気も、いつも同じ形で続くわけではありません。
私たちにできるのは、
その波のリズムに寄り添いながら、“その子なりの進み方”を一緒に見つけていくこと。
吹田市・北摂地域で、私たちは
“頑張れないときもある”子どもたちに、
「それでも前に進める方法がある」ことを伝える支援を続けています。