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“癇癪を起こす子”——爆発の背景と予防のアプローチ

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◆ 何が引き金かわからない「突然の大爆発」

 ・注意されると急に泣き叫び、物を投げる

 ・自分の思い通りにいかないと床に寝転んで大暴れ

 ・靴下の感触が気に入らないだけで登園拒否

 ・落ち着くまでに1時間以上かかる

吹田市・北摂地域でも、
「癇癪が強く、家族全体が疲弊している」
「些細なことで激しく反応し、何がきっかけかわからない」
というご相談を多く受けています。

癇癪(かんしゃく)は、**子どもが感情の爆発を通じて“伝えようとしている何か”**があるサイン。
それをただの“わがまま”や“甘え”と捉えてしまうと、
子どもはますます言葉を失い、感情でしか表現できなくなってしまうのです。

◆ 癇癪とは、“心の処理しきれなさ”のあふれ出し

癇癪とは、子どもが自分の内側にたまったものを、
まだ未発達な言葉や思考では整理しきれず、
感情の“洪水”として外に放出している状態です。

これは多くの場合、以下のような背景が関わっています:

🔸感覚過敏や刺激への脆弱性

  → 音、光、肌触り、においなど、環境からの刺激が強すぎて、
    限界を超えると“もうだめ!”と爆発してしまう

🔸思い通りにならない場面への耐性の低さ

  → 頭ではわかっていても、気持ちの切り替えができない
    小さな変更が大きな混乱を引き起こす。

🔸自分の状態や欲求を言語化する力の弱さ

  → 「なんでこんなに怒ってるの?」と大人が思うとき、
    本人も“理由がわからない”ことが多いのです。

🔸疲労や空腹、睡眠不足、環境変化の影響

  → 癇癪の多くは、**身体状態や生活リズムの乱れによって“トリガーが軽くなる”**ことも見落とせません。

◆ 北摂の事例:年中男児の「お皿の位置」による爆発

北摂地域の保育園に通う4歳の男の子。
ある日、給食の時にスプーンがいつもと違う場所に置かれていただけで、
突然「いやー!」と叫んで床に寝転び、30分以上泣き続けました。

先生たちは困惑しつつも、落ち着いた後に彼に優しく聞いてみたところ、
こんな言葉が返ってきたそうです。

「なんか違ってて、うまくできる気がしなかった」
「いつもと違うと、気持ちが変になって、ぐるぐるする」

これは、「こだわりの強さ」でも「気分のムラ」でもなく、
“予測できる世界”を失った不安と混乱の表現だったのです。

◆ 吹田市の心療内科での支援:爆発そのものより“予兆”に目を向ける

「ゆうゆうからだとこころのクリニック」では、
癇癪への対応として「その時どう止めるか」よりも、
“その前に何が起きていたか”を一緒に探す支援を重視しています。

🔹① 感情の“温度計”を一緒に育てる

  →「ちょっとイライラしてきた」「むずむずしてる」など、
    爆発前の“微細な兆し”に気づける力を育てます。

🔹② “起きやすい条件”を家庭と一緒に整理する

  → 起こる時間帯、状況、刺激などを共有し、
    “トリガーMAP”を作ることで予防につなげます。

🔹③ 爆発時の“安全な退避スペース”を確保する

  → いったん感情が爆発してしまったときのために、
   「落ち着ける場所」や「使っていいグッズ」などを用意します。

🔹④ 落ち着いた後の“やり直し”を肯定する

  → 爆発そのものを責めず、
   「頑張って戻ってこれたね」「言い直せてえらいね」と、回復の部分に焦点を当てます。

◆ ご家庭でできる3つの工夫

🔷 ① 爆発“前”のサインを一緒に言葉にしてみる

  → 「あ、まゆ毛がへの字になってきたね」など、
    体の変化や表情の変化を鏡で見ながら気づく練習をしておく。

🔷 ② 「落ち着き方の選択肢リスト」を共有する

  → 深呼吸、数を数える、お気に入りの絵本を見るなど、
   “落ち着く手段”を一緒に見つけておくことで、自分で使えるようになります。

🔷 ③ 落ち着いた後には“自分の感情”を振り返る習慣を

  → 「あのとき、どんな感じだった?」
   「どうしてぐるぐるしちゃったと思う?」
   “感情の記憶”にアクセスする力を育てます。

◆ 癇癪は“問題行動”ではなく、“限界のサイン”

爆発するたびに、大人も疲れ、時に無力感を覚えます。
けれど、その癇癪は、子どもなりに「今、助けて」が言えない叫びなのかもしれません。

「どうしてこんなことに怒るの?」の奥にある、
“うまくいかない世界とのつながり方”を一緒に探ることが、根本的な支援になります。

吹田市・北摂地域で、私たちは
癇癪の背景にある子どもの不安や混乱に、
「理解」という光をあてる支援を丁寧に行っています。