「夜眠れない」「朝起きられない」——10代の“眠り”と心のバランスを整えるために
「朝がつらい」「夜になると元気」——それ、単なる夜更かしじゃないかもしれません
「夜中までスマホを見ている」
「朝はいつまでも布団から出られない」
「昼夜逆転していて、学校に行けなくなった」
こうしたご相談は、吹田市の心療内科にも多く寄せられます。
一見「生活習慣の乱れ」に思えるこれらの状態は、実は心の不調のサインであることも少なくありません。
思春期は、脳と体が急激に変化する時期。
その変化に心が追いつかず、“眠り”という生理的機能に現れてしまうのです。
10代の睡眠トラブルは「わがまま」ではなく、脳の変化とストレスの影響
思春期に睡眠リズムが乱れやすい理由には、いくつかの科学的根拠があります。
メラトニン(眠気ホルモン)の分泌が遅くなる:
夜の眠気が大人よりも遅くなるため、自然と就寝時間が遅れがちに
自律神経の不安定さ:
学校や人間関係のストレスで交感神経が過剰に優位になり、寝つけない
過敏な感覚処理:
音や光、些細な不快感により入眠が妨げられる(感覚過敏との関連)
不安・抑うつ・過覚醒の影響:
「明日学校に行けるかな」「また怒られるかも」といった不安で眠れない
このように、「夜ふかししている」のではなく、眠れない理由が内面にあるケースが多いのです。
朝が起きられないのは、甘えではなく“身体が動けない”状態かもしれない
北摂エリアでもよくご相談いただくのが、起立性調節障害(OD)のような「朝に体が動かない」状態です。
ODは、思春期に起こりやすい自律神経の不調で、
- 朝になると立ちくらみ・めまい・吐き気
- 学校に行こうとすると動悸がする
- 起き上がれないが、午後には元気になる
といった特徴があります。
これは決して「怠け」ではなく、身体の問題として医学的なケアが必要なケースです。
吹田市の心療内科でできること:睡眠を“心の鏡”として見る
ゆうゆうからだとこころのクリニックでは、10代の睡眠トラブルに対して以下のような支援を行っています。
- 睡眠リズムのアセスメント
睡眠時間・生活リズムの聞き取りから、何がズレているのかを明確化します。 - ストレス要因の可視化
学校・友人・家族関係など、眠りに影響している心の負担を整理します。 - CBT(認知行動療法)的アプローチ
寝る前に考えてしまうことの書き出し、睡眠日誌の記入、安心できるルーティンづくりなど。 - 医学的な評価と薬物療法の検討
起立性調節障害や不安症状が強い場合、適切な薬物サポートも必要に応じて行います。
保護者に知っておいてほしい「眠り」と「心の関係」
「早く寝なさい!」と叱るよりも「最近何か心配なことある?」と声をかける方が効果的なことがあります。
睡眠トラブルは、
- 不安やストレスの“出口”
- 学校や家庭への“サイレントな反応”
- 成長過程の“一時的な揺れ”
として現れていることも多いため、頭ごなしに正すのではなく、まずは“受け止める”ことが大切です。
北摂で増える「睡眠の相談」——その背景には社会の変化も
コロナ禍以降、オンライン学習や生活リズムの乱れが続いたことで、
「眠れない」「眠りたくない」「朝が不安」という子どもたちが、吹田市・北摂地域でも増えています。
その背景には、
- SNSによる24時間接続状態
- 学校の人間関係での孤独感
- 過度な期待やプレッシャー
など、“脳を休ませるタイミングを失った現代の子どもたち”の姿があります。
最後に——“よく眠る”ことは、“自分を大切にする力”を育てること
睡眠は、心と体を整える最も基本的で、最も大切なケアです。
「ちゃんと寝なさい」ではなく、「よく眠れるように一緒に考えようか」という姿勢が、子どもたちには必要です。
吹田市・北摂エリアで、お子さんの眠りに不安を感じたときは、ひとりで抱え込まず、心療内科などの専門機関にご相談ください。
眠りを取り戻すことは、「自分を取り戻す」第一歩でもあります。