TOPへ

ブログ

「何を考えているかわからない」児童思春期のこころを見つめるまなざし

ブログ

子どもが急に話さなくなった?

「最近、子どもが何を考えているかわからない」
「急に口数が減って、部屋にこもるようになった」
「学校のことを聞いても、“別に”としか返ってこない」

吹田市にお住まいの保護者の方から、こうしたご相談を受けることが増えています。
とくに小学校高学年から高校生くらいの“児童思春期”と呼ばれる年代では、本人の内面の変化に対して、まわりが戸惑うことが多くなります。
けれど、それは子どもが「反抗している」「親を嫌っている」という単純なことではありません。
多くの場合は、“自分自身と向き合う時間”が始まったサインなのです。

「心の引きこもり」は、成長の一部でもある

思春期は、「子どもでもなく、大人でもない」曖昧な時期です。
身体の変化だけでなく、考え方や価値観、他者との距離感が激しく揺れ動きます。
その中で、子どもたちは必死に「自分ってなんだろう?」「どうやって社会と関わればいいんだろう?」と模索しています。
この時期に見られる“感情の波”や“言葉にならない不安”“突然の無気力”は、決して異常ではありません。
それは、脳の発達と感情の調整が追いついていない中で、必死にバランスを取っている証拠でもあります。
だからこそ、大人が「なぜ話してくれないの?」「元気出しなさいよ」と答えを急ぎすぎないことがとても大切なのです。

「わからない」と認める勇気

思春期のこころの特徴のひとつに、「言語化の難しさ」があります。
自分でもまだよくわかっていない感情を、どう言葉にすればいいのかがわからない。
結果として、「だるい」「うざい」「別に」など、短い言葉でしか返せなくなることがあるのです。
このとき、親やまわりの大人が“気づいていないふり”をしてしまうと、子どもはさらに閉じてしまうことがあります。
「心配しているよ」「いつでも話を聞くよ」と、静かに伝え続けることが信頼のベースになります。

吹田市のように学業や進路のプレッシャーが強い地域では、「がんばらなければいけない」という思い込みが子どもにも染みつきやすい傾向があります。
だからこそ、「頑張れない日があっても大丈夫」「今は何もしたくないって思ってもいい」というメッセージを、周囲が届けてあげることが必要です。

専門家の力を借りるタイミングとは?

「学校に行きたくない」「お腹が痛い」「眠れない」
そういった身体症状や生活の不調が続くようであれば、専門家に相談するタイミングです。
精神的な不調は、思春期においては身体の不調として現れることも少なくありません。
当院では、児童思春期のこころの揺れに対して、医師・心理士・保護者がチームで支える体制を整えています。
一人の子どもに対して、多角的に関わりながら、本人の「自分らしいペース」を一緒に探していくサポートを行っています。

子どもが“自分を表現できる場”を

最近では、学校外に「自分を出せる場所」が少ないと感じている子どもが多くなっています。
SNSやゲームの世界に心を寄せるのも、現実の世界に居場所を感じにくいからかもしれません。
当院では、吹田市周辺の子どもたちに向けて、「安心して話せる」「言葉にならない気持ちを整理できる」カウンセリングも行っています。
また、音楽やアート、身体感覚を使った表現活動も、言葉以外の自己表現手段として取り入れることがあります。

“子どもらしさ”の正解は、誰にもわからない

「前はあんなに明るかったのに…」
「昔みたいに笑ってほしい」
そう願う気持ちは、親として当然のことです。

でも、思春期とは“変化の時期”であり、“過去の姿”とは別の新しい自分に変わっていく準備の時間でもあります。
その変化に寄り添いながら、「今のその子らしさ」を見つめていくことが、何よりの支えになるのです。

今、その子は何を感じているのか。

すぐに答えが出ないからこそ、ゆっくり向き合っていく姿勢が、思春期のこころには何よりの安心になります。
吹田市で子どもと暮らす日々の中で、もし「心配だけどどう接すればいいかわからない」と感じたら、どうぞ私たちにご相談ください。