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「どうせ無理」「僕なんて」——児童思春期の“自己肯定感”を育てるヒント

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「どうせ自分なんか…」——口にしない“自己否定”に気づいていますか?

「失敗するとすぐに投げ出してしまう」
「ちょっと注意しただけで『もういい!』と落ち込む」
「誰かをほめると『でも自分は違う』と比べてしまう」

そんなお子さんの様子に、心を痛めている保護者の方は、吹田市でも少なくありません。
とくに児童思春期には、“自分自身の存在をどう感じているか”が揺れ動きやすくなる時期です。

自己肯定感が低いと、チャレンジや他者との関わりを避けがちになり、
「失敗=自分はダメ」といった極端な思い込みが子どもを苦しめていきます。

自己肯定感とは、「すごい自分になること」ではない

自己肯定感と聞くと、「自信がある」「堂々としている」といったイメージを持つ方も多いかもしれません。
でも本来の意味は、

「できる・できないに関係なく、ありのままの自分にOKが出せている状態」です。

つまり、自己肯定感とは「自分は特別ですごい存在だ」と思い込むことではなく、
「うまくいかないときも、自分を見捨てずにいられる力」なのです。

なぜ思春期に自己肯定感が下がるのか?

この時期の子どもは、以下のような環境や内面的な要因から、自己評価が不安定になります。

  • 比較の機会が一気に増える(テストの順位、SNS、外見など)
  • 「〇〇ができなければ価値がない」と感じやすい
  • 周囲の期待に応えられないと「がっかりされた」と思ってしまう
  • 成功体験よりも失敗体験の方が記憶に残りやすい
  • 発達特性(ASD、ADHDなど)があると、「みんなと同じにできないこと」への劣等感が蓄積しやすい

また、親や教師など身近な大人からの言葉や表情が、思っている以上に子どもの自己評価に影響を与えているのも事実です。

吹田市の心療内科での取り組み:子どもの自己肯定感を“すくい上げる”

当院(ゆうゆうからだとこころのクリニック)では、吹田市を中心に、自己肯定感に課題を抱える児童思春期の子どもたちへの支援を行っています。
そのアプローチの一部をご紹介します。

認知のゆがみを見直すワーク(認知行動療法)

「できない自分=価値がない」という思い込みを少しずつ柔らかくしていきます。

自己評価表・できたことリスト

日々の中で「できたこと」「がんばったこと」を書き出し、成功体験を可視化。

失敗と向き合うセッション

「失敗=悪」ではなく、「挑戦した証」であることを繰り返し伝える。

ペアレント・サポート

保護者が「完璧な子に育てなければ」というプレッシャーを手放せるよう、気持ちを整える支援も行っています。

北摂の子育て世代へ——「あなたのままで大丈夫」と伝えること

北摂地域には、教育熱心なご家庭が多く、親子で頑張っている姿をよく目にします。
けれども、がんばることに追われすぎて、“自分らしさ”を見失ってしまう子どもたちもまた多いのです。

  • 勉強で思うように成果が出せなくても
  • スポーツで負けてしまっても
  • 誰かに嫌われたとしても

それでもあなたは、あなたのままでいいんだよ——
そんなメッセージを、子どもたちは心の奥底で求めています。

親ができる“ちいさな一歩”から始めよう

親としてできることは、決して大きなことではありません。

  • 「がんばったね」ではなく「見てたよ」と伝える
  • 失敗した時こそ「挑戦して偉かったね」と声をかける
  • 「あなたがいてくれて嬉しい」と、存在そのものを肯定する言葉を増やす

これらはすぐに効果が出るものではないかもしれません。
でも、“自己肯定感の貯金”は確実に子どもの中に積み重なっていきます。

私たち心療内科の専門家は、そんな日々の声かけや関わりの中に、子どもが自分を好きになれる種が宿っていると信じています。