「もう話してくれない…」——思春期の親子関係、リセットして向き合い直す方法
「話しかけても無視される」「一緒にいるのが気まずい」その悩み、増えています
「最近まったく口をきいてくれない」
「“うるさい”ってドアをバンッと閉められる」
「何か悩んでいるのはわかるのに、近づくと逃げていく」
吹田市の心療内科でも、こうした親子関係の“すれ違い”に関するご相談が増えています。
特に児童思春期——小学校高学年から中学生・高校生にかけての時期は、親と子の心の距離がぐっと広がるタイミングでもあります。
けれど、それは必ずしも「親を嫌いになった」わけではありません。
むしろその反対で、「自分でもどうしていいかわからない」「親に嫌われたくないけど…」という葛藤のあらわれなのです。
思春期の子どもが親を“拒絶する”3つの心理背景
親子関係の悪化や断絶のように見える行動の裏には、次のような心理的背景があることが多いです。
- 自立と依存の間で揺れている
「自分でやりたい」「干渉されたくない」 でも「本当は安心したい」「見ててほしい」このアンビバレント(矛盾した)感情が、時に反抗的な態度として現れます。 - 親の言葉が“評価”に聞こえる
「宿題終わった?」「今日学校どうだった?」という何気ない声かけが、「できてないことを責められている」と感じてしまうことも。 - 過去の関わりが“痛み”として残っている
小さい頃に怒られた記憶や、がっかりされた経験が、今でも「どうせまた否定される」「また怒られる」という予期不安につながっていることもあります。
北摂エリアでも広がる「家庭内の静かな断絶」
近年、吹田市をはじめとする北摂地域では、
共働き家庭や塾・部活などによる生活リズムのすれ違いから、物理的にも心理的にも“会話のない家庭”が増えているとされています。
- 食事がバラバラ
- LINEはしても会話はしない
- リビングより自室で過ごす時間が長い
こうした状況が日常化すると、いつの間にか「話せなくなる関係」が形成されてしまいます。
いちど“関係リセット”して向き合い直すという選択肢
親子関係が悪化したとき、無理に“元に戻そう”とするのではなく、あえて「新しく関係をつくり直す」というスタンスが役に立つことがあります。
たとえば:
- 自分の思い込みを見直す
「この子は無愛想だから…」と思い込まず、“変わってきた今”の姿を見ることが大切です。 - 言葉より“空気感”を整える
無理に話しかけなくても、「一緒におやつを食べる」「同じ空間にいるだけ」でも、安心感は少しずつ蓄積されます。 - 子どもを“理解しよう”とする姿勢を見せる
「こうしてほしい」よりも、「何が嫌だった?」と聴く側に回ることで、扉が開くこともあります。
心療内科でできる親子関係のサポート
ゆうゆうからだとこころのクリニックでは、親子のコミュニケーションに悩むご家庭に対して、次のような支援を行っています。
感情の“翻訳”支援(カウンセリング)
子どもが抱える不満や不安を、言葉にして整理し、親に伝える手助けをします。
親へのフィードバック
「なぜ拒否されるのか」「どんな声かけが逆効果なのか」など、客観的な視点からのアドバイスを行います。
ファミリーセッション
必要に応じて親子同席での面談を実施し、互いの気持ちを共有できる場をつくります。
今日からできる「親子関係リセット術」3つのヒント
- “ありがとう”と“ごめんね”を大人から言ってみる
子どもが変わるのを待つより、親の方から言葉の習慣を変えることが効果的です。 - 一緒に過ごす“ノンバーバルな時間”を持つ
無言でもいいから同じ空間で同じ空気を吸う。それだけで信頼関係は育ちます。 - 過去より“これから”に焦点を当てる
「前はこうだったのに」ではなく、「これからこうしてみない?」という未来志向の声かけが有効です。
最後に——“関係”は壊れても、必ず育て直せる
思春期の子どもとの関係は、一時的に“壊れたように見える”ことがあっても、実はその多くが「育て直し」のチャンスでもあります。
大切なのは、“正しさ”よりも“信頼”。
子どもが「この人なら、少し話してみようかな」と思えるような関係を目指していきましょう。
吹田市・北摂エリアで親子関係に悩まれている方は、どうぞ心療内科やカウンセリングなど専門的なサポートもご活用ください。