「どうせ自分なんて」——自己肯定感の低い子どもたちに必要なまなざし
「自分なんかダメ」と思い込んでしまう子どもたち
「どうせ僕なんか、やってもムダだよ」
「私なんていなくても誰も気づかないと思う」
「また失敗するから最初からやらないほうがいい」
吹田市にお住まいのご家庭から、こうした“自分を否定する言葉”を口にするお子さんについてのご相談が増えています。
とくに児童思春期は、心と体の変化が激しく、「自分とは何か」を模索する時期。
そのなかで、過度に自分を責めてしまったり、価値を感じられなくなったりする子も少なくありません。
このような子どもたちは、一見するとやる気がないように見えますが、実は深く傷ついていたり、不安でいっぱいだったりすることが多いのです。
自己肯定感とは何か?
「自己肯定感」とは、簡単に言えば、“自分を肯定できる感覚”のことです。
「私はここにいていいんだ」「失敗しても大丈夫」「何かをやってみよう」と思える感覚。
ただし、自己肯定感は生まれつき備わっているわけではなく、日々の経験や関わりの中で少しずつ育まれていくものです。
- 認めてもらえた体験
- 否定されなかった記憶
- 小さな成功を喜んでもらえた瞬間
そうした積み重ねが、自分を信じる土台になります。
自信を失いやすい子の特徴
心療内科に来られる児童の中で、「自己肯定感が低い」と感じられる子には、以下のような傾向がよく見られます:
- 完璧主義で、自分にとても厳しい
- 小さなミスで「全部ダメ」と感じてしまう
- 他人と比べて劣っていると感じやすい
- 失敗を極端に怖がる
周囲の期待に応えようとしすぎて疲弊している
これらは一つひとつが「性格の問題」ではなく、環境の中でそうならざるを得なかった背景があることがほとんどです。
親ができる「関わりのリセット」
吹田市・北摂エリアの保護者様からも、「どう励ませばいいか分からない」「何を言っても響かない」といった声をいただくことがあります。
そんなときは、次の3つのステップを意識してみてください。
- 比べない:「◯◯ちゃんはできてるのに」はNGワードです
- 結果よりプロセスを褒める:「頑張ったね」「工夫してたね」と伝える
- 一緒に喜ぶ・悔しがる:気持ちを共有することで、安心感が生まれます
たとえば、「テストで80点だった。でも本人は悔しがっている」——
そのときに「なんで間違えたの?」ではなく、「悔しいね、それだけ頑張った証拠だね」と返せる関係性が、自己肯定感をじわじわ育てていくのです。
当院での支援:心療内科としてのアプローチ
ゆうゆうからだとこころのクリニックでは、自己評価が低く、元気が出ない子どもたちに対して、以下のような支援を行っています:
- 心理カウンセリング:自己理解・感情整理・成功体験の振り返り
- 認知行動療法:否定的な思考パターンの修正と新しい視点の獲得
- 家庭へのフィードバック:接し方のアドバイスや感情の受け止め方
- 必要に応じた発達評価・薬物療法:不安障害や抑うつ傾向の把握
特に北摂エリアの心療内科として、吹田市内外の教育機関や支援機関と連携しながら、「孤立させない支援」を大切にしています。
「できるかどうか」ではなく、「存在していい」と感じられる場所へ
子どもたちの心の中には、小さな声でこうつぶやくもう一人の自分がいます。
「本当は頑張ってるのに、うまくいかないだけなんだ」
「誰かに“そのままでいいよ”って言ってほしい」
私たち大人にできることは、子どもが自分を信じられるようになるまで、隣で信じてあげることです。
今日、あなたの大切な子どもが「笑っていた」「話してくれた」「少し前向きな言葉を言った」——
それだけでも、きっと自己肯定感は一歩前に進んでいます。
吹田市・北摂の地域に暮らすすべての子どもたちが、「私はここにいていいんだ」と心から感じられるよう、私たちはこれからも寄り添い続けます。